教えて? | ナノ


教えて?


※エロ本ネタ。凌牙君はそんなの読まないわ!!というお嬢様方はUターン推奨














凌牙の両親は忙しい。共働きで、休日ですらほとんど家に寄り付かない。
だから遊馬と付き合いだして以降、しょっちゅう彼女を家に上げていたし、週末は基本的に泊まりだ。今日も遊馬はお泊まりセット持参で遊びに来ている。先に風呂を上がった彼女は凌牙の部屋で暇を潰しているだろう。
きっと、今夜もそういうことになる。というか、する。
夜の時間に期待を抱きながら、ドライヤーを停めた凌牙は、ラフなルームウェアで2階の自室へ向かった。頃合いになるまでデッキでも見てやろうかと考えながらドアを開けた彼は、すぐそこで正座して待っていた遊馬に驚いた。
「遊馬?どうし――」
俯く彼女の手前へと視線を移して、凌牙は凍りついた。
そこにあったのは、女性の肌色が艶かしい数冊の雑誌。
所謂、エロ本。
机の引き出しの奥にしまっておいたはずのものが、なぜか明るい室内灯の下へ引きずり出されていた。
「りょ、凌牙のカード見せてもらおうと思って、机の引き出し開けたら、見つけちゃって……」
俯いているため表情は見えないが、耳元は真っ赤に染まっていた。対照的に凌牙は顔面蒼白になる。
二次成長を迎えた健康男子として、凌牙も人並みに性的欲求を抱いている。自分の意思とは関係なく、溜まるものは溜まるし、そうなれば発散させるしかない。自慰行為にこういう本が絶対必要というわけではないが、視覚的興奮があったほうが手っ取り早く済むのだ。いわば必要に迫られて所持しているのであるが、そういう事情を話したところで、女子が納得するかは別の問題である。
そしてこういう場面に遭遇した時、彼女がとる反応は大まかに3つに分けられる。ひとつは、自分というものがありながらこれはどういうことだと怒るパターン。もうひとつは、年頃の男の子だからエロ本のひとつやふたつ持ってて当然と笑い飛ばすパターン。そして、見なかったことにするパターンの3つだ。
目の前に現物を突きつけられている以上、3番目はない。2番目も遊馬の性格上考え難い。となれば、この後待ち受けている展開は自ずと明らかだ。
(今夜のことは、もう期待しねえほうがいいな……)
むしろ、怒って泣いて臍を曲げるであろう彼女を宥めすかすことで終わる可能性が高い。こんなものを発見された以上、甘い夜など望めないだろう。構わず押し倒しでもしたら、当分口をきいてくれなさそうだ。
「あ、あのな遊馬。これは……」
少しでも怒りを削ごうと必死に言葉を探す。正座をして俯いていた遊馬が、真っ赤な顔を上げた。
「か、勝手に漁ってごめんな!それで、コ、コレのことなんだけど!」
「あ、ああ」
「か……か……」
「か?」
「……貸して下さいッ!!」
しばし、何と言われたのか、本気で理解できなかった。
「は……あっ!?貸す!?お前に!?」
「だ、ダメ?」
「ダメと言うか……」
まさかの4番目のパターンに焦った。
「何でこんなの借りたいんだよ?一応言っとくが、女が見て楽しいもんじゃねえぞ」
「分かってるよ!さっきちょっと、み、見ちゃったし」
「じゃあ何で……」
「でも、凌牙は好きなんだろ!?」
泣きそうに大きな目を潤ませて、遊馬は言った。
「俺、この人達みたいに胸おっきくないし、色気もないけど、でも、凌牙がこういうの好きなら、やってみようって思って!」
「っ」
「その……する時、いつも俺のほうが気持ちよくなっちゃってるじゃんか。俺だって凌牙のこと、気持ちよくさせたい!でも、どうすればいいのか分からないし、だから……」
ごにょごにょと口の中で呟き、遊馬は再び俯いた。つむじを見せる彼女を見下ろしながら、凌牙は燃えるように熱い衝動を覚えた。風呂上がりとはいえ、そればかりでない火照りが全身に広がる。
「ちっ」
遊馬が悪い。煽るようなことを言う遊馬が。
衝動のままに掴みかかって押し倒した。熱をもつ身体に、フローリングの冷たさが気持ちいい。
「あ……凌牙……」
潤む瞳で見上げられる。今夜のことは彼女も覚悟していたのだろう。期待するような色が浮かんでいたが、いつもより時間が早いこともあって「もう?」と唇が動く。
「お前が誘ったようなもんだろ。待ったはなしだぜ」
「誘ったわけじゃ……」
前開きのパジャマを外しながら、現れた肌に口付ける。首筋に、鎖骨に、胸元に、と唇を滑らせ、時折強く吸えば、血色のいい風呂上がりの肌により赤い花が咲いた。
「んっ……凌牙」
「俺を気持ちよくさせたいって言ったな。上等だ。してもらおうじゃねえか」
「で、でもどうすればいいか分からないんだって!」
「なら俺に聞けよ」
パジャマと同じく前開きのブラのホックを外して、幼い膨らみを直接触った。先端に手のひらを当てて擦り付けるように全体を揉めば、遊馬の身体はたちまち反応を示す。先端が尖り、口からは悩ましい吐息が漏れた。
「お前、こうされるの好きだよな」
「んっ……だ、だって……」
「本人が目の前にいるんだ。あんな本なんかに頼らなくても、直接触って覚えればいいじゃねえか」
遊馬の手をとって、熱を帯びた自身へ誘導する。服の上から握らされた一物の感触に、赤かった遊馬の顔はますます色を濃くした。恥ずかしそうに視線をさ迷わせていたが、意を決した様子で凌牙を見上げた。
「わ、わからないんだ……こういうこと、全然……」
「ああ」
「だから……お、教えて?」
「いいぜ」
これまで遊馬に、特別何かをさせたことはなかった。去年まで小学生だった年下の彼女なのだ。セックスだってまだ早いと思って耐えるつもりだったが、思春期の抑えきれない青い衝動に負けた。未知の行為に怯える遊馬を説得して、宥めて、触れて、細心の注意を払い身体を繋げた時のことは忘れられない。
だから、遊馬から「気持ちよくさせたい」と申し出てくれたことが嬉しかった。どこかで、実年齢より幼い彼女の純潔を奪ったことに、後ろめたさを感じていたのだと思う。凌牙の独り善がりでなく、遊馬も行為を求めていたことを実感して、舞い上がらないわけがない。
互いの服を脱がせあいっこしながら、悪戯のように肌に触れれば、お返しだと言ってくすぐられる。いつもマグロだった彼女が積極的に手を伸ばしてくれるのを、らしくもなく高揚した気持ちで見つめた。



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