夕日町

夕日山の麓にある自然豊かで穏やかな田舎町。
山には昔から天狗と樹木神が住むと言われ、町にも人ならざる存在が多くいると言われている。
名も無き大天狗と、名も無き樹木神により守られているとされており、彼らを祀る祭りもある。


【名も無き大天狗】
いつからか夕日山を縄張りとしている。
悪しき存在だが、最近はめっきり丸くなった。気まぐれで退屈を嫌う。
普段は人に紛れて生活しており、夕日町にいない事もしばしば。
町で親しまれる妖の一人でもある。満更でもない。
天狗様、大天狗、名も無き大天狗、夕日天狗、など。
正しい名前を知る者は減ってしまっている。


【名も無き樹木神】
夕日町の中央にある巨木である。
その周囲の小さな森が結界になっており、辿り着ける者は少ない。
穏やかで大らかだが、やや大らかすぎるようだ。
普段は人型をしている精霊のような存在として、同森内の社辺りに姿を見せる。
町の守り神のような存在として親しまれる。
樹木様、樹木神、みどり様、夕日の樹木神…など。
残念ながら、化けるのは苦手で、ひと目でわかる形をしているが。


【住民】
田舎町だが、わりと人は多い。
不思議な夕日の名所として地元より親しまれる。
天狗と樹木神により護られているため、人と同じように妖などの存在も多い。
昔よりの町の人々はよく知っており、あまり気にしてはいない。
というよりは、どこか気にしたら負けと思っている節もある様子。
とはいえど、やはり中にはそういった妖を厭う者も存在しているが、
表向きはとても穏やかな人たちが多い。

【おうち】
別名、しゅうかいじょ。
常にある程度綺麗に保たれているうえに、
キッチンや冷蔵庫といったものが完備されている。
家主は不明だが、子供達の遊び場としていつも開放されている。
時折少年Kがお掃除をしたりしている様子が確認できる。
子供達はよくここにいる。


【ゆうひ駅】
久希里市に繋がる主要駅であり、久希里線の終点。
電車は多くて一時間に一本。半日で一本の時もあるほど。
無人駅と思われがちだが、えきちょうさんと呼ばれる存在がいる。
切符代をちょろまかそうとしたりすると怒られる。
その姿は不明。猫だとも、黒いもやもやだとも言われており不明。
ただ、怒ると怖いことだけはみんな知っている。


【おはか】
本物のお墓ではなく、通称名。
色々なガラクタやゴミが捨てられている。
が、腐敗臭やゴミ独特の匂いがすることもなく、不思議がられている。
あまりに危険なものも見当たらず、時折子供たちが宝物を探しに訪れる場所。
万が一危ないものがあったとしても、
ガラクタキング(子供命名)が見守ってくれており、怪我をすることは少ない。
大人たちからは亡霊さんと呼ばれやや親しまれている。


【がらくた屋敷】
おはかのすぐ近くにある大きい建物。廃屋。
中には大きな電化製品などが打ち捨てられている。
汚い廃屋ではあるのだが、どこか整理整頓されて綺麗な印象もすることだろう。
ここにはガラクタの亡霊さんやゾンビのお兄さん(不憫)が住んでいる。
結構広いので、たまに人が増えているらしい。
ちなみに、チビ亡霊と呼ばれる存在の拠点もここである。


【黒田印のお豆腐】
いつからかあるお豆腐やさん。
現在はかれこれ十代目くらいらしい。
黒田さんがつくるお豆腐はとても美味しく、人気。
お豆腐だけじゃやっていけないため他にも色々なものを販売中。
駄菓子やちょっとした雑貨なら揃っている不思議なお豆腐屋さん。



【夕日寺】【夕日神社】
なぜか仲良く並んでいるが、なぜか仲が悪い。
寺の方は天狗を、神社のほうは樹木神を信仰している。
事あるごとに難癖を付け合ったりと元気。
町の人たちはそんな両者を微笑ましくみているだけである。
また、信仰に関係なく、両者とも妖には寛容。(微妙な贔屓はある)
天狗、樹木神ともに目撃が多いのもこの場所だが、
天狗が神社にいることも、樹木神が寺にいることもある。
住職も神主もこればかりはどうしようもなく、諦めている。
それでもやっぱり仲が悪い。


【墓地】
寺と神社からほど近いところにあり、町共同の墓地。
本物の墓地。お墓が立ち並び、もの哀しい雰囲気をしている。
奥へ進むほど山へと入っていってしまい、古いお墓が増える。
最奥にはぽつりと粗末な祠が有り、誰もがこの祠を大切にしている。
その祠は誰かの墓らしいが誰のものであるかは不明である。
また、山奥ではあるが周囲はある程度整備されているので安心。多分。
夜に訪れると妙なのに遭遇する可能性もあるので注意。



【夕日川】
きらきらと夕日を照り返す綺麗な川で、レジャースポット。
流れは穏やかなので子供でも安全。釣りに訪れる人も多い。


【ぼろ宿:ねむりのいえ】
パッと見はただの廃墟。古い日本家屋といった風体。
しかしボロい。通称ボロ宿。それ以外に呼びようがない。
すぐそばには古井戸もあるが、枯れている。
住んでいるのは顔に面をした男と、おどおどとした少女。
どっちも赤面症だったりコミュ障だったりと経営が不安ともっぱらの噂である。
時折遠方より宿泊客が訪れるが、多くは顔見知り。
新規の客が増えることはあまりない。
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