DARLING | ナノ





バレンタイン大作戦







『で〜きた♪』



JADEの秋羅さんと付き合いだして初めてのバレンタイン

私は準備万端でこの日を迎えた



――たぶん…甘いの苦手だよね?



そう思ったんだけど、やっぱり作っちゃった…
















バレンタインの日、JADEはツアーの真っ最中だった

でもこの日、彼らのライブは都内

私も招待されていて…

私の荷物の中には秋羅さんに渡すチョコレートも入っていた



――大丈夫だよね?…溶けないよね…



ドキドキしながら大事に椅子の下にチョコレートの入った箱を置いていた


















ライブもJADEも…秋羅さんもサイコーで…

あっという間の約3時間のステージだった



――凄いな…まだ興奮が体に残ってる…



席に座ったままボーッと余韻に浸っていると、スタッフさんが近付いてきた



「あの、美花さんですか?」

『は、はい…そうです…』

「秋羅さんに頼まれまして。楽屋に案内しますから…。あと、これ通行パスになりますから、首からかけてください」

『あ、ありがとうございます』



通行パスを受け取った私は、チョコレートの入った袋を忘れずに持ち、スタッフさんの後をついて行った



どんどん奥へと案内されていく

舞台裏はごった返していたが、楽屋まで来ると意外と静かだった



――あ…秋羅さんの名前…



楽屋に秋羅さんの名前を見つけて心が躍る…



コンコン


ガチャッ



「失礼します。秋羅さん、お連れしました」



スタッフさんがそう声をかけ、部屋のドアを開ける

私は…



『ありがとうございました。』



スタッフさんに頭を下げてから部屋に入った



「美花、来てくれて…サンキュー!ライブどうだった?楽しんだ?」



どれくらいぶりだろう…ナマ秋羅さん…

私は思わず秋羅さんに駆け寄って抱き着いた



『今日は招待してくれてありがとう、秋羅さん!…ほんっとに…逢いたかった…』



抱き着いた秋羅さんはライブ終了後、すぐにシャワーを浴びたらしく…とてもいい匂いがした

彼が私を優しく包み込むように、抱きしめてくれる



――秋羅さんの匂いだ…幸せ…



「美花?…どうした?」



私の思わぬ行動に戸惑っていたが、それでも彼の声は優しかった



『すごく…逢いたかったの…』



彼の腕に力がこめられたのがわかった



『…秋…羅…さん?』



彼を見上げたと同時に唇が重なる



『…ん…ふっ……』



声にならない声が漏れる

離れたかと思うと、すぐに吸いよせられるようにまたお互いを求めて唇を重ねた












どのくらいの時間がたったんだろう

二人の唇がやっと離れて、しばらく抱き合っていた

私は思い切って秋羅さんに聞いてみる



『…あの、私…チョコレートを持ってきたんです。甘いもの…苦手ですよね?』

「そういうイメージついてるよな…。実は…大好物…」



思いがけない秋羅さんの言葉に喜びを隠せなかった



『秋羅さん♪Happy valentine♪どうぞ…』



私の差し出したチョコレートをおいしそうに食べてくれる秋羅さん

貴方の笑顔も、声も、そして…

私だけに向けてくれるニヒルな笑顔も…

全部大好きです……

















-end-

2009.02.17


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