パフューム
「うちのシャンプーの匂いと…
猫の匂いがする…」
『な、夏輝さ…』
後ろからいきなり私の肩に顎を乗せて髪の匂いをクンクン嗅いで
「すっかり、うちの匂いになったね♪」
な、なんだか…ご機嫌?
『そりゃあ…もうここに来て2週間は経つし…夏輝さんの使ってるシャンプー、私にもすごく合うから使わせてもらってるし…』
年末に婚約をした私たち…
6月の結婚式に合わせて、いろいろ準備をしてるんだけど…
お互いあまりに忙しく、それぞれの家を行き来する暇がなくて
年末に夏輝さんのマンションに引っ越してきた
『も、もう…夏輝さん…いい加減に…』
「ん?…もうちょっとだけ、堪能させて?」
後ろから回された夏輝さんの腕が私のお腹で交差する
なんだか恥ずかしくて…
くすぐったくて…
「あれ?耳まで真っ赤…」
耳元でクスッと笑うと同時に首筋にチュッとキスを落とす
『も、もう!…恥ずかしいですってば…』
顔を真っ赤にして夏輝さんにキスされた部分を手で隠す
「嬉しいんだよ…実感してんの。美花ちゃんが俺と同じ匂いになってるのが…」
『お、同じ匂いって…』
首を隠している手をそっと握られ
「…嫌?…俺と同じ匂い…」
ちょっと拗ねたその声にドキッとする
夏輝さんて…
私がどんな言葉や仕草に弱いのか…
よく知っている
『…嫌じゃ…ありませんよ…?』
夏輝さんと同じ匂いって…嫌なわけないじゃない…
『こ、紅茶淹れますね…喉渇いちゃった…』
「あ、俺にも淹れてくれる?」
『はい♪』
口実を作って彼から離れる
キッチンで紅茶を淹れていると
![](//static.nanos.jp/upload/e/exe0927loft/mtr/0/0/201102172137421.jpg)
笑顔の夏輝さんがこちらを見ていた
私も自然と笑みが零れる
こうやって少しずつ夏輝さんと同じになっていくのかな…
大好きな人の匂いに包まれて、笑顔で暮らしていけたら
それはそれで幸せ…
ニャ〜ン
『フフ♪もちろんその中に、ミィちゃんも含まれているからね!』
-end-
Special Thanks ひろ
2010.01.08
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