LOVE TRIP | ナノ





バレンタイン大作戦







渋谷ラブトリップ



ここでバイトを始めて数ヶ月…

いろいろな事があったけど一番の驚きは、私に彼氏ができた事…

それも相手は芸能人

そんな事って誰も信用しないよね

だけど、それは嘘でも何でもなくて、おそらく今日も彼はやって来る










「いらっしゃいませ、二ノ宮様。ただいまVIPルームをご用意しております」

「店長、アイツつけて!」

「かしこまりました」



いつもの店長と彼のやり取り…

私は店長に呼ばれると、彼のいるVIPルームへと向かった



『失礼します…』

「よう、美花!また今夜も来てやったぞ」



いつもの俺様の態度…



『いらっしゃいませ、二ノ宮様。いつものワインをお持ちしました』



そう言ってにっこりと微笑む



「おまっ…!何、営業スマイルなんかやってんだ!いいから、ここに座れ!」

『きゃっ!ち、ちょっと…』



彼が私の腕を引っ張ると、そのまま倒れ込むように彼の腕の中に納まった



「ん…美花不足、解消…」



彼はそう言いながら私を抱きしめる



『…ソ、ソウ…』

「何だ?」

『…そんな事言われたら…恥ずかしい…よ?』



彼の右手が私の頬に触れる



「…お前、反則。マジ…かわいい…」



そのまま彼の顔が近づいてきて…ソウとのキス…

私は勤務中だという事も忘れて、彼の熱を感じていた

















しばらくして、ソウがどこかに電話をかける

会話は…よく聞こえない

電話を終えると…



「おい、行くぞ!店長の許可も貰った」



ソウが私の肩を抱いて店を出た


















私たちが来たのは、都内の有名ホテル…

そのホテルの中にあるレストランへとやって来た



「今、バレンタインフェアやってんだよ。このホテルの本店はヨーロッパだからな…。女性メインの企画だ。女性同伴じゃないと入れねぇ…」



ソウは話しながら、私をとある場所へと促す

パッと見た感じ、チョコレートのタワーみたいだったけど、近付いてみると…



『うわ〜、チョコレートの噴水!』

「ほらっ」



ソウがイチゴやバナナ、マシュマロを持ってきた



「こうやって食うんだよ…」



ソウがイチゴをチョコにくぐらせ私の口に運ぶ



『…んっ!…美味し…』

「ほら、これも…」



そう言って、バナナやマシュマロを次々とチョコにくぐらせる



「…んで、シメはこれだな…」



ソウが持っていたのは、コーヒーカップ



『どうするの?』



カップにチョコを注ぐと、ほらっとカップを渡された



「飲んでみろよ!」



自信満々のソウ…

一口飲んでみると、何とも言えない美味しさが口の中に広がった



『…美味しい…』



自分の目がすごく大きく見開いているのがわかる



「プッ…お前、メチャクチャ口の周りすごいぞ!」



そう言ったソウの顔が近付いてきて、私の唇の端をペロッと…舐めた



『な…何?』



動揺した私は顔が赤くなるのがわかった



――何、考えてんのよ…もう…



私は恥ずかしさから俯いてしまった



「いいだろ?俺達、付き合ってんだから!」



ソウが私の顔を覗き込む…



『…そうだけど…』

「甘いな…今日の美花…」



ペロッと自分の唇を舐めるその仕草にドキッとする

ソウの瞳が私を捕らえて離さない

そのままソウの明るい髪が私の視界を覆いつくす

そっと目を閉じると、彼の温度を唇に感じた

不思議と回りの目も気にならなかった…

何度も何度も…啄むようなキスを繰り返す



『ソウ…』

「美花、Happy Valentine!俺の育ったフランスでは男性がバラを送るんだ」



その言葉の後、どこに隠し持っていたのか、バラを一輪差し出した

そして…



「美花…愛してる…」



ソウが耳元で囁く



『ソウ…私も…』



普通は女性からチョコを贈ったり、告白したりするのかもしれない

だけど…

私たちはこの形でいいのかも…

ソウの愛を感じて…


















-end-

2009.02.16


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