耳をつんざく銃声。それが止めば静寂。ひたひたと足音がしたような気がした。銃は左手から落ちていった。

私は何がしたいのか。答えはきっともう手の届く範囲には置かれていないのだろう。それでは誰を愛していたのか、それすらはっきりとしない。
ただ、囚われていた。私は愛という言葉を借りた拘束に何度も頷いていた。私は笑っていた、幸せだったはずなのだ。じゃあなんで、なんで今こんなふうに事実と向かい合わねばいけないんだろう。気づかないまま、パラレルワールドでも何でも征服させれば良かったんだ。なんで。なんで今になってこんなに抗うの。私。




開け放たれた冷蔵室に暖気が流れ込む。不死身と形容しよう、ヴァリアーの面々はまるで乾いたボウフラが水を受けて生き返るように、ゆっくりと意識を取り戻し始めた。
安堵した自分を疑った。
自分は最終的に、ヴァリアーで生きることを受け入れていたのだろうか?あんなに交わることを拒否し続けて、避けて、反抗してきたっていうのに。