sad ジェームズ



バーンと大きな音がして、綺麗な花火がグリフィンドールの談話室をくるくると駆け巡った。
途端に「またお前らか」と呆れた声や笑い声が上がり、明るい談話室はいつも以上の騒がしさになった。
なんでも、今日はその花火を上げた悪戯仕掛け人の一人、ジェームズ・ポッターの機嫌が今最高級によろしいようだからだ。
基本的にいつも機嫌がいい人ではあったが、ここまでご機嫌なジェームズを見るのはリリーに初めて名前で呼んでもらったと言っていた時以来だった。…そこまで考えてはっと我に返る。そうか、なんだリリーか。
ジェームズの想いは無事彼女に届いたんだ。

「君のお陰でリリーに振り向いてもらえたよ、ありがとう!」といつも以上のとびきりの笑顔で言われ、私はただ一言「おめでとう」と呟くしかなかった。
皆に囲まれ祝福されながらリリーの肩を抱くジェームズはとても幸せそうで胸がチクリと痛んだ。彼の言う通り、協力したのは私自身なのだ。



もう一度大きな爆発音が聞こえ、
花火の燃えくずが談話室を舞った。






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