happy リーマス



私はビンズ先生のお経のような声が響く魔法史の教室を見回した。
右隣のリリーは一生懸命ペンを走らせているし、前の席のジェームズとシリウスは何やら作戦を立てているようだ(さしずめセブルスへの悪戯の作戦だろう)
右斜め前に座るピーターの頭はこっくりこっくりと船を漕いでいる。

一通り見回した所で、私の目はピーターの隣に座る彼に釘付けになっていた。彼の明るい茶色の髪の毛が教室に射し込む光を帯びてキラキラしていて、思わず見とれてうっとりとする。彼はリリー同様真剣な顔でメモをとっていて私の視線には気付いていないようだ。

(好き、大好き、愛してる)


彼の綺麗な斜め顔へ熱い視線を声にならない想いと共に送り続けていると、突然ふわっと彼の髪が浮いた。それからゆっくり振り向いたかと思うと彼の視線と私の視線がぶつかり、彼は目を見開いて驚いた顔をした。私は慌てて目をそらしたが、彼は一向に前を向く気配がない。
不思議に思いちらりと彼の顔を見ると、まだこちらを見ていた彼とまた目が合ってしまった。すると彼はいつものように私に優しく笑いかけてから前に向き直り、何かメモを書き始めた。

しばらくするとまたこちらを向いてそのメモを私に差し出し、私はそれを受け取り静かに開く。


【僕も、いつも君を見ていたよ】



綺麗な字が並ぶメモと彼の顔を見比べると、彼は照れたような笑顔で笑っていた。
ああ、それは反則ですよ。






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