(※会話文)




「はぁ……」
「おはようハーマイオニー。そんな顔してどうしたの?」
「ああ、おはようハリー。実はナマエのことなんだけれどね……」
「ナマエがどうかしたのか?」
「おはようロン。ええ……今朝彼女の凄まじい叫び声が聞こえて目が覚めたの。それから驚いてナマエに近付こうとしたんだけれど、彼女ったら『近寄らないで!』って頑なに顔を見せてくれなくて……」
「それ、君が何かしたからなんじゃないのか?」
「いいえ違うわ。ロン、話はまだ終わってないの。最後まで聞いてちょうだい。」
「なんだよ……」
「それで?」
「それで、事情を聞いてみたら、『にきびが出来た』って……それもエロイーズ・ミジョン顔負けの」
「うぇー、そりゃ地獄だ。死んだ方がマシだな。」
「ロン!本当にあなたって人は!言っておきますがね、彼女はとっても……」
「「性格がいい、だろ」」
「二人とも分かってるんじゃない何度も言わせないで」
「いいから早く続きを話してくれよ!」
「ああもうそう急かさないでよ……あれ、どこまで話したのかしら……ああそうだ、それで私言ったの、『思春期にはにきびのひとつやふたつ出来るものよ。だから気にすることないわ。』ってね。」
「それで実際はどのくらい酷いにきびなんだい?」
「うーん……大したことないわよ、本当に。まぁ出来た場所が……」
「どこ?!」
「落ち着きなさいよ。そうね……鼻の下なの。」
「鼻の下だって?!」
「ちょっとロン!」
「ごめん――だって想像したら――笑いが止まらなくて!」
「ナマエは本気で悩んでるのよ!女の子にはね……」
「君の説教はいいから早く続きを話してよ!」
「ハリーまで!……とにかく。彼女を説得してみたんだけど上手くいかなくて、終いには彼女ったら自分でにきびを消そうとしたの!」
「それこそ本当にエロイーズ・ミジョンみたいになっちゃうじゃないか!」
「そうなのよ!だから私も言ったの、『それじゃあ本当にエロイーズ・ミジョンみたいに鼻が取れて大変なことになってしまうわ』って……」
「そしたら?」
「……諦めたわ。」
「なんだ、それじゃあ良かったじゃないか。」
「ええ。でも朝食をとりに大広間に行きたくないって……あ!」
「おい嘘だろ、あの包帯ぐるぐる巻きは……」
「おはよう、ハーマイオニー。」
「え、ええ……おはようナマエ……」
「おいナマエ、君にきびぐらいで少し大袈裟すぎじゃないか?そんなに包帯巻く必要あるのかよ?」
「……ちょっと、ロン!」
「あ、」
「ハーマイオニー、こいつらににきびのこと言ったのね!」
「ナマエごめんなさい、で、でも彼等の協力があれば解決法が見つかるかと思って……」
「僕らに解決法が見付かるわけな……いてっ、何すんだよハリー!」
「ナマエ、包帯を取って見せてくれないかな?」
「いやだ。」
「僕達君に協力したいんだ。でも包帯を取って状態を見せてくれなきゃ解決法はいつまでも見つからない、そうだろ?」
「そうよ、お願いナマエ……」
「……はぁ、分かったよ。ただし診察は早めにね。みんなに見られたくないから……」
「どれどれ……」
「……なーんだ、大したことないじゃないか。」
「だからそう言ったじゃないの、ロン。全く……」
「大したことないですって?これのどこが?」
「ただちょっと赤くなって見えるだけだよ。そんな気にするほどじゃない。」
「ハリー、あなたはにきびの恐ろしさを知らないのね……」
「ええ、男の子にはきっと分からないでしょうね、私は女の子だから……何よロン?……――ナマエの気持ちはよーく分かるわ。でもハリーの言う通り、気にするほど酷くないわ。包帯はやりすぎよ。」
「そうだよ!それにエロイーズ・ミジョンに例えにきびが無くて鼻が真っ直ぐに付いてたって、にきびがある君の方が百万倍かわいいに決まってるさ。」
「ちょっとロン!あなたは……」
「ナマエも笑ってるよ。」
「ああ!もうあなたまで……」
「ちょっと待って、あれ?なんかエロイーズ・ミジョンがこっちを見てるような気が……」
「……本当だ!もしかして僕達の声が聞こえのかな?何回も彼女の名前を連呼してしまったし。」
「やだ、きっと彼女傷付いているわ……どうしましょう!」
「大丈夫だよハーマイオニー、彼女きっと悪口なんて言われ慣れてるだろうから。」
「ナマエ!」


可哀想なエロイーズ・ミジョン


「後で医務室に行きましょう。にきび薬があるはずだから……」
「それって4年生の時にブボチューバーから取り出した膿で出来てるやつだろ?ウェー!」
「ハーマイオニー、私なんだかエロイーズ・ミジョンが可哀想に思えてきたわ。」



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