小説 | ナノ

1/31 


ヘリオス「そういえばフラン、お前の誕生日っていつだ?」

フラン「毎日です」

ヘ「……お?」

フ「なぜならあたしは日々せいちょうし、新しい自分に生まれかわっているからです。というわけで毎日ケーキ食べさせてください」

ヘ「ラストの一言は言うと思った。
だけどお前、よく考えてみろ。毎日誕生日なんて迎えていたら、あっという間に婆さんになっちまうぞ」

フ「うはぁ! さすがにそれはちょっとイヤですね……」

ヘ「な? だから誕生日なんて年一回で丁度良いんだよ。ってことで、いつがいい?」

フ「今日!」

ヘ「食い意地はってるなお前!!」


 * *


ヘ「――ほら」

フ「え……ケーキ? ですか?」

ヘ「だってお前、今日誕生日なんだろ」

フ「いえ、さっきのはほんのじょうだん、だったん、です、けど……。そもそもあたし、たんじょうびなんてないんですよ?」

ヘ「お前が今日って決めたんだから、お前の誕生日は今日だろ」

フ「ヘリオスさん……」

ヘ「急だったからちょっとケーキがやっつけになっちまったな。来年はもっといいの用意するから、今年はこれで勘弁してくれ」

フ「あ、あの……」

ヘ「なんだよ。早く食えよお前らしくも無い」

フ「ありがとうございます、ヘリオスさん」


[戻る]
×