小説 | ナノ

壱 


初霜月二十日余りむゆか はれ

 今日はなんてすてきな日でしょう。
 おとうさんのお仕事がお休みだったので、ひさしぶりに家族みんなでおでかけできてうれしいです。
 それだけでもわたしには十分だったのに、「人生のよき友となさい」と日記帳にノートにインクと羽ペンを買ってくださるなんて。

 今日からこの日記帳はわたしの友達で、相談相手で、楽しいこともヒミツなひそひそ話も告白できるすてきな宝物。

 うきうきしすぎてインクをちょっとこぼしてしまったけれど、それはそれでなんだかいいかんじです。

 願わくば、明日ももっともっと楽しくなりますように。



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