群青に塗り固められた空には、幾億もの星が煌めいていて、まるで今にも降ってきそうなほどだった。
「そっか、今日七夕かぁ」
「タナバタ?って何ですかスザクさん」
窓から星空を見上げていると、隣でナナリーが尋ねる。
「うーんと、オリヒメっていうお姫様と、ヒコボシっていう王子様が一年で一回だけ会える日のことだよ」
「まぁ、一年で一回だけしか会えないんですか?」
「なんの話だ?」「ルルーシュ」
シャワーから上がったばかりのルルーシュがバスタオル片手に部屋に入ってきた。
「今日は七夕だねって話しだよ」
「……ああ、もうそんな時期か」
すっかり季節は夏。いつの間にか7月になっていた。
僕たちの間に入って、ルルーシュも満天の星空を見上げる。天の川が綺麗だ。夜なのに、こんなにも空が明るい。
「お兄様、スザクさん。オリヒメさんとヒコボシさん、無事にお会い出来たのでしょうか」
ナナリーの問に、僕たちは顔を見合わせる。
「会えたよ、きっと。すごく綺麗な星空だから」
ルルーシュがナナリーの頭をそっと撫でた。ナナリーが気持ち良さそうに微笑みを返す。
「じゃあ、来年もまた逢えるようにお祈りしなきゃ!」
きっと逢えるよ。こんなにも素敵な夜だから。

130707

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