別に愛してとかそういうのを云うつもりはなくて。だって重いじゃん。でもあんたには代わりに云った言葉も重かったらしい。

どこ行くの。

いや、普通じゃない?普通に云うよね?なんでそんな鬱陶しそうな顔するの。何も答えないの。なをんかやましいことでもある訳?ねぇ、ねぇ?るかさん答えてよ行かないでよ俺のこと見てよ、ねぇ。

こんなに好きなのに愛してんのに何でも分かってくれないの、ねぇ。
こんなにメールしてんのに何で返信してくれないの、ねぇ。
あんなに電話してあげたのに何で着拒したの、ねぇ。

合鍵作ったんだ、るかさん家の。だってるかさんいつまで経ってもくれないから。照れ屋さんなあんたも好きだけどね。でもね、たまに言葉にされなきゃ不安になるよ。ねぇ、なんで怒ってるの。合鍵くれないあんたが悪いんじゃん。ねぇ、どこ行くの。待って、待ってよ。一緒にいて。なんで。どうして。どうしたらあんたは俺のこと見てくれるの、ねぇ、るかさん。



「さきと、もうやめろ。俺たち第一付き合ったりしてないだろ、ただのバンドのメンバーだろ?合鍵置いていますぐ出てけ」
「なんでるかさんそんな事云うの酷いよ俺はるかさんのなのに」



玄関で泣きじゃくる俺の前にしゃがみこんだるかさんは大きな手のひらで優しく俺の頭を撫でてくれた。



「なぁ、何て云ったらお前死んでくれる?」
「……なんだと思いますか?」



昔からずっとずっとずっと欲しかった言葉。



「……あいしてる、さきと」



正解、て笑った俺にるかさんは目を細めて優しい笑みを浮かべた。







遊びで気まぐれでS抱いたRと、
本気になっちゃったS。