キミが生まれてくるに至る世界
朝焼けの光。
黄昏とはまた違う、祝福の橙色。
冬の始まり。
肌寒く、洗練された張りつめた空気。
かすかに聞こえる鳥のさえずりが天使の吹くという金管にさえ思える。
私の体を揺らす椅子はゆりかごのように揺らめいて、まだ眠っていて良いのよと語りかけてくる。
いいえ、でももったいないわ。
あなたに話したくてたまらないことが山ほどあるんですもの。
ねえ、あなた。聞いてくださる?
生まれてくる子どもの名前。
遠い昔にもう、決めてあるの。
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