任務も一通り終わり、俺はいつものようにある場所に向かった。
俺の大好きな雲が良く見える特等席だ。
ドサリ、と寝転がって空を眺める。今日の空も綺麗な青空だった。
真っ白な雲がいつもより際立って見える。
何もかも、日常的な風景だった。今俺の隣に誰も居ないということを除けば。
‘あー、雲はいいよなぁ…自由で’
なんて、1年前の今頃も言っていたのだろうか。
――――
――
その時の空も、清々しいほどの青空だった。
「あー、疲れた」
「いつものことでしょ?」
「いつもだから余計に疲れんだよ」
「全く…いつからそんな年寄りになったんだか」
その女は、そう言いながらクスクス笑っていた。
「それにしても、シカマルって本当に雲が好きだね」
「…、何だか落ち着くんだよな。何も考えずに漂う雲を見てっと」
「そう…」
「自分がどんなに悩んでても、途端にそれがちっぽけな事に思えてくる」
「…シカマルにも悩みなんてあるんだ」
「お前それかなり失礼じゃねぇか?」
俺がその言葉に反応してふと横を見ると、彼女もまた“冗談だよ”と笑いながらこちらを見てきた。
「ま、悩みくらいならいつでも聞くよ。役に立つか分からないけど」
「……」
「だからさ、私にもこの特等席たまには貸してよね」
「…あぁ。つーか、既に何回も貸してやってるだろ?」
その時のお前は、いつもより格別大人っぽく見えた。
――
――――
その日以来、俺が雲を眺めに来るときは、必ずこいつが隣にいた。
ふざけたくだらねぇ話をするときも、ちょっと真面目な話をするときも、必ず。
その時の俺に、1年後の俺の隣には誰も居なくなってるなんてどうやって予想が出来ようか。
あいつがいなくなってからも、雲を眺めにここへ来ている。
しかし、もう以前のように雲が綺麗だなんて思わなくなってしまった。
ただ当たり前の様に青い空に白い雲が浮かんでる光景に、味気無さを感じるようになった。
俺は、純粋に雲を眺める事が好きだったのか?
いや、違う。
今ならはっきりそう思う。だが、今更この気持ちに気付いても、もう遅い。
どんな手段を使ったって、もうあいつにこの気持ちを伝えることは出来やしねぇんだ。
やっと気付いた
(俺は、お前と一緒に眺める雲が好きだったんだ)
――――――
久々の登場ですいません(土下座)
そして制作時間30分ですいません(再び土下座)
突然の思いつき話です。
こういう真面目(暗いっていうのかな?)な話を書くのは初めてだったりします。
それにしてもなんだかこれ、シカマルじゃないような気がするのは私だけでしょうか…?
なんかこう、もっと面倒くさそうな喋り方しますよね、あの方は(笑;)
うーん。やっぱり最近、シカマルに飢えてるな。←
最後に、私は「切ない」「悲恋」「暗い」「シリアス」の境目がよく分かりません(汗)
(それともみんな一緒なのか…?;)
ここまで読んでいただきありがとうございました^^