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「あれ…?」
はっと我に返り辺りを見渡してみる。
すると、私の周りには見たことも無いような建物ばかり…。
こんな変わった建物、しかもここまで大量に今まで見たことが無い。
「何、ここ」
冷静になって考えてみる。
今日もいつも通り学校に行って、部活が無かったから一人で先に帰路について…
で、気がついたらここに突っ立てた始末。
いやいやいや、何この展開。全く頭がついていかないんですけど!!
ちょっと待ってよ。だってさ、さっきそこの曲がり角をいつも通り曲がっただけだよ?
なのに、曲がって出てきた先の光景がこれって…。
と、ここでもう一度辺りを見渡してみた。
「……」
さっきと変わらず少し変わったデザインの建物が多く並んでいるだけ。
やっぱり。こんな所は見たことが無い。
てか、さっきから通行人がめちゃくちゃ迷惑そうに私の事を避けて歩いてるんですけど。
あ、そんなに邪魔でしたか。すいません…。
とりあえず、道のど真ん中から端による。
さて、どうしようか。
こんな所、今まで見たことも聞いた事も無い。
あー、やっぱり、いつも同じ道じゃつまらないからって今日に限って違う道で帰ってきたのがまずかったか…
私ってそんなに方向音痴だったっけ?
はぁ…大人しくいつもの道を通って帰れば良かった…。
考えれば考えるほど、焦りや後悔に気持ちが傾く。
しかし、こうなってしまってからはどうすることも出来ない。
「…ちょっと歩いてみるか」
その場にずっと突っ立っていてもしょうがないと思い、僅かな希望を胸にその辺を探索してみることにした。
歩き始めて数十分……
結構な距離を歩いたけど、結局元の場所に戻ってきてしまった。
というのも、この町には細い路地が幾つもあり、全部探す前に疲れ果ててしまったのだ。
ちくしょう…!!一体この町はどんなつくりしてるんだ…!!
「はぁ…」
先ほどと同じ所にしゃがみ込む。
何なんだよ本当にもう…。
焦りや不安は、段々とイライラに変わってきた。
だぁーっ!!何で私がこんな目に遭わなくちゃいけないんだっつーの!!
考えてもしょうがないけど、考えずにはいられない。
「いや、ちょっと待てよ…」
私はいつも通り曲がり角を曲がってきただけ。
って事は…、また同じ道を戻ればいいだけの話じゃ…
なーんだ、そんな簡単な事だったのか。
焦りすぎて冷静な判断力も失ってたみたいだね、私。
そう思いつくと、自然にさっきまでのイライラや不安も吹き飛んで、少し楽しくなってきた。
(じゃあ、さっきまでの私の努力は何だったんだろう…?)
まぁ、いい。どうせ帰る道があるなら少しくらい遊んで帰ったって大丈夫だよね?
「じゃ、早速」
とりあえずその辺のお店を散策しようと立ち上がる。
さっき走り回ってる間に甘味処を発見したのだ。やっぱり疲れてる時には甘いものが一番だよね!
と、ウキウキしながら歩き出そうとした時、
「あ、琴音!こんな所にいたのね!!」
「…へ?」
後方から誰かの声が聞こえた。
そのまま黙って振り返ってみると、その子は見たことも無いような綺麗なピンク色の髪をもった女の子だった。
―――――――
とりあえず、1話終了。
本当はまたダブルヒロインにしようと思ったんですが、急遽1人にさせていただきました。
今度からはよく文章を熟成させてからUPしたいと思います(汗)
ちなみに、またギャグ中心で突っ走ります多分。←