庭球夢 | ナノ

 in Fact :2

「おいミョウジ」
「何よアキラ」
「お前さ、今日全然深司と喋ってないじゃん。 アレ、誘えば」
そんなこと言われてもねえ!
いきなりこんな・・・話しかけるなんて出来るわけないでしょ・・・
ッ!?
アタシはアキラが指差したものをみて驚愕した。
「アンタ何言ってんの!か、かかかかか観覧車なんて」
「いーから。だーいじょーぶだって!誘ってみろよ」
「う・・・うーん・・・」
「な?」
なんだか自信たっぷりに言うアキラを見ると、いけそうな気になってしまう。
「うん・・・」




ある程度回ったところで、ちょっと休憩を取っているわけだけど
なんだよアイツら・・・ イチャイチャしやがって・・・
神尾とミョウジは少し離れてひそひそと何かを話している。
くそ・・・


「深司くん、ナマエのこと気になる?」
「は?・・・何で・・・」
「なんかさっきからよく視線が行くなあ〜と思って」
「別に・・・気のせいじゃない。ほんっとに女子ってそういう話好きだよなあ・・・嫌になるよなあ・・・」
「あ、あらら」

何なんだよホント・・・
お前らは二人でどこでも見てきたらいいだろ!?
イライラするんだよ・・・・・・

すると、話を終えた神尾とミョウジが戻ってきた。
「じゃ、次どこいこっか?」
橘さんの妹が切り出して、俺たちは再び歩き出した
・・・途中で、女子二人が「歩いてて!」と少し離れていった。




「杏ちゃん!あの、伊武を観覧車に誘おうとしているんですけれドモ」
「な〜んだ。そういうことだったんだ! わかったわかった!ふふっ。緊張しすぎよナマエ。 落ち着いて、じゃあ行く?」
「は、ハイッ! あぁ・・・大丈夫かな」
「大丈夫!」




どうせ神尾と二人きりになる算段でも踏んできたんだろ?
妹の方は神尾が自分に気があるなんて知らないみたいだから、ミョウジに協力するだろうし
更にイライラを募らせていると、二人は戻ってきて、ミョウジが俺に言った。
「あの、さ。伊武!・・・あの、観覧車」
「ッ!」

ホラ来た!
俺が邪魔だから二人で観覧車にでも行って、自分を神尾と二人きりにしてくれっていうことだろ?!
はっきり言えばいいじゃないか!

神尾と二人にしてくれって! はっきり!!


「分かったよ!神尾と二人きりになりたいんだろ?!もう嫌になるよなあ!
こんな気分にさせられるなんて思って無かったよなあ!! 二人にでもなんでも・・・」
「っ!ナマエ!!」
「ミョウジ!!!」
「・・・え・・・?」

ミョウジは驚いたと思ったら、次には悲しい顔をして、走り去った。
え・・・?なんでだよ。俺間違ったこと・・・

「深司・・・!! お前何言ってんだよ?!」
「は・・・?だってアイツ、お前と二人きりになりた・・・」
「ミョウジは!お前と、お前と観覧車に乗りたいって言おうとしてたんだよ!」
「はあ!?何で・・・!」
「アイツはお前のことが好きなんだよ!!!」
「神尾くんっ!」
「あ・・・。・・・っ、とにかくっ追いかけてこいよ!」


ミョウジが・・・俺のこと、スキ?
スキって、好き?
は・・・?だってお前、いっつも神尾と話してるじゃんか

あれ・・・
いっつも話してるなら、別に俺といるときに話しかける必要ないんじゃ・・・・・・
二人っきりな瞬間なんて沢山あるんだから、わざわざ俺に頼む必要ない、じゃん・・・
なら、本当に・・・俺のこと・・・?

考えながら、俺は走っていた。
観覧車の近くのベンチに、ミョウジは座っていた




「!!」

俺は問答無用で#nyouji#を抱きしめた。
別に、好きなら良いだろ
「伊、武・・・? ご、ごめんね・・・怒らせちゃったみたいで。 ・・・ッ!!」
泣きながら言う姿に罪悪感が大きくなって、より強く抱きしめた

「・・・神尾と話してんの、見てて・・・イライラしたんだよね。・・・今、気づいた。



 好き。 ・・・好き。」

「っ!・・・馬鹿・・・。ばかあ! アキラなんか好きじゃないしっ。ありえないしっ!」
「ごめん。でもホラ、そうやって神尾のことは呼び捨てなのに俺は伊武≠カゃん」
「だっ、だって、そんな・・・!恥ずかしいじゃん・・・」

「ナマエ。」
ぎゅーっとすると、ナマエは俺の背中に手を回して言った。

「し、深司。」

この雰囲気は、もう一歩踏み出しちゃえそうな感じだけど
さすがにここじゃ恥ずかしいよ


「あれ、乗りたいんじゃないの」
あれ とはもちろん観覧車のことだ
「う、うん!」
「じゃ、続きは観覧車で。」




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観覧車でちゅーでもしてりゃ良いんだよ。

謝りたいところが数箇所あります。

1.伊武が杏ちゃんのことをなんて呼ぶかわかりません
2.杏ちゃんが神尾と伊武をなんて呼ぶかわかりません
3.↑調べてません。なんとなくで済ませました。

まあでも良いでしょう←
これはアカンやろ!とか言われたら直します;

(タイトルすげー悩みました。「実際は」みたいな意味らしいです。)


 南風



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