庭球夢 | ナノ

 in Fact

アイツ、本当にむかつくよなぁ
だってアイツ、神尾とくっつきたいからって俺を使うんだぜ
俺に声をかけてくるのは、俺が神尾と一緒にいるときだけ
神尾と二人にしてくれって いっそのことはっきり言えばいいだろ。




in Fact




「ねえ、アキラ。アタシどうしたら良いと思うよ」
「はあ? しらねーよ。」

昼休み、アタシは後ろの席の神尾アキラに話しかける
これはもう日課みたいなことなんだけど、別にアタシはこいつの彼女とかそんなことはない。
絶対にないありえない無理。
「お前今・・・俺に失礼なこと思ってないか?」
「別に。」
「あ、そう。 そんで、何をどうしたいんだって?」
「知らないんじゃなかったのかい。 そんなん、分かってるでしょ」
そうだ。日課ではあるんだけど、いつもは先生の話題とか、テニスがどうとかそんなことだった。
でも今は、ここ最近はひとつのことについてしか話していないと思う。

それは・・・・・・

「あーはいはい。深司のことだろ」
「うん・・・。」

アキラの口から答えが出ちゃったけど、その通り。
アタシはアキラと同じテニス部の 伊武深司が好き

「伊武ってさ、アタシのこと全然気にかけてないっていうかさ。
去年同じクラスだったことも忘れてるとかそんな程度の存在だと思われているっていうか」
「(何言ってんだか) ん〜、そうかあ?」
「だってアタシが二人一緒にいるときに話しかけても、すぐどっかいっちゃうし・・・」
「それって気にしてるんじゃないのか?」
「はあ!?つまりそれは私のこと嫌いってことじゃん!離れていっちゃうんだから!!」
(ああ・・・そういう考えになるわけ・・・)

何も思われてないのも嫌だけど、嫌われてるっていうのは完璧に脈なしじゃん!
それはやだよ!!
誰か違うと言ってぇぇぇぇええええええええ
「いやそういうことじゃねぇだろ・・・」
「え?」

「神尾くん」
アタシが混乱と絶望の中でぐるぐるとしていたとき(脳内で)、杏ちゃんがアキラに話しかけてきた。
「あ、あ、杏ちゃん!な、何?」
こいつ・・・バレバレだな。
言わずもがなアキラは杏ちゃんに気がある。それを杏ちゃんが分かっているのかどうかは知らないけどね
「これさあ、私らで行かない?お兄ちゃんに貰ったんだけど」
そう言う杏ちゃんの手元には遊園地のチケットが四枚ある。
私ら・・・?
杏ちゃんと、アキラと、まあアタシと・・・あとは、誰だ?
「私と神尾くんと、ナマエと深司くん」
「え!?」
「おー!良いじゃんミョウジ。この機会に気持ち確かめれば」
「え、え!?」
「イイよね、ナマエ?」
「う、うえ〜〜!?」
アタシが、伊武と・・・遊園地!?

「おい、俺らもいるぞ。」



当日は来てしまった。
そう。
伊武と、遊園地に・・・!

「いやだから俺らもいるって。」




この間、部活の休み中にいきなり神尾が話しかけてきたと思ったら
「杏ちゃんに誘われちゃったぜ!ミョウジも行くってよ。お前も来るだろ?」
なんていいやがって・・・。
なんでもう既に決定している体で誘うんだよ
しかもミョウジ・・・? 別にその情報いらないし・・・。

ということで仕方なく遊園地に来ている。
だってコレ、俺が一番複雑だろ?
神尾は杏ちゃん杏ちゃん言ってるし、その神尾をミョウジは好きなわけだろ?
俺マジで人数合わせじゃん。
はあ・・・・・・早く帰りたいな・・・




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