「…尚〜、なんでアレがあんたの彼氏なの?」



『あん?』


ぼおーっと廊下を眺め頬杖をついていた美憂が、いきなりボソリとそう呟いた



『なんだい美憂さん。それは、喧嘩売ってんのかい』

「いやぁ、だってね?
あたし達ってホラ、クラスの中でいう地味の女子じゃん?

そしてあんたは口悪いし対して美人でもないし運動も普通じゃん?


なのに、なんであんたの彼氏は
あんななの」


ぴしっ、となりそうな程鋭く指差したのは、



女子のたむろう一つの場所



似合う化粧とくるくるの髪の毛、モデル並みに細い体をした女子の間から、

一つ二つ分飛び出た頭


それが私の幼馴染みであり、彼氏である



「「ねえ辰馬ぁー、彼女できたって本当?」

「情報が早いの〜女子のネットワークは恐ろしい」

「本当なんだねー。辰馬そういうの作らないと思ってたー」

「彼女っていっても特別かやない。
わしにとっちゃ、おんしらみーんな彼女ぜよ」

「きゃあ♪さすが辰馬♪」






…とかなんとかニャンニャンしてるに違いないね」


『ちょ、遠すぎて会話聞こえないからって勝手にアフレコすんのやめてくんないぃい。
しかもなんかリアル』


「くーっ、やっぱモテる男は言うこと違うね!」

『いやそれあんただから』



ぎゃんぎゃん五月蝿い美憂をお菓子で黙らせ、私はあっちからは見えないように辰馬を盗み見た




ニコニコと笑顔を振り撒く辰馬


180以上ある身長と体格は、同級生と並べればやっぱり大人びていて、

顔も小学生の頃と比べてより一層綺麗になっていた



こんな辰馬を放っておくはずもなく、同級生から年上、年下も年齢など関係なしに言い寄る女子はあとを絶えない



マンガのような辰馬となぜか幼馴染みの私は、一緒に遊ぶことも多く密かに恋をしていた


そしてつい最近、私のダメモトの告白で奇跡的に付き合うことになったのだ





『…私には勿体なさすぎる』

「豚に真珠だもんね」

『ちょ、お前入ってくんな!色々病むから!!』





「何暴れちゅーが、尚」


美憂と第2ラウンドが勃発しようとしたとき、優しい声が耳に響いた




『た、…たつ…ま……』


さっきまで遠くにいたはずの辰馬が、廊側の席に座る私を体を乗り出しながら物凄い近くで見ていた



「相変わらず元気じゃのー。」

『お…お陰様で…』

「?お陰様で?風邪でも引いたか?」

『…元気です。』


いるだけで目立つ辰馬と私が話していることによって、私のクラスが一気にザワつきだした



しかも、辰馬一人ならまだ構わない


辰馬とその仲間たち、確か高杉くんと坂田くん、桂くん、

学校のTOP4のモテる人間達までいるのだ



……女子の妬みの格好の餌食じゃんよう

しかもじろじろと他の三人に見られ、その視線が気まずいったらありゃしない



早く用件を聞いて、ここから離れてもらおう


『ど、どうかした?』

「…いんや、おんしが見えたんでな」

『そ、そっか』

「おう」

『……』

「……」



え?何故いなくならない?


辰馬くん、早くこの場からいなくなってはくれまいか


そう切実に願ったとき、



「あ、辰馬だっ」


同じクラスの2人のギャルが、こちら側から辰馬に話かけてきた



「おう、なんじゃ?」

「久しぶりじゃんよ〜絡むの」

「つか、この教室に来るって珍しいね。あ、もしかしてこの子に用?」


くいっと顎で私の方をさした


……こ、この方も辰馬が好きなのか

目が笑ってないもの…



「そうじゃー」

「マジ?どんな用?」

「私たちには用なんてあったことないのに〜」


「ひどーい」と言いながら仲良さげに話す2人

明らかに私に見せつけているのだ




漫画のジェラシーじゃん。これ。
まかさこんなことされるとは思ってもいなかったわ。


……てかくっつくな!

腕にからませんな!胸押し付けんな!


なんだかわからないイライラがきてしまって、ぎゅっと手を握った




「わしはのー、興味がないのには用なんてないぜよ」


ニコニコしながらそう言った辰馬




途端に、

この場の空気が凍り付く



「あ、ははは。辰馬、私たちには興味ないってこと?」


「ぬしらとゆうより、






むかしっから尚意外、興味はないぜよ」


『んなっ…』


表情を一切変えずに、
いつものニコニコした表情で辰馬はそう言った




「ほォ…」

「へぇ〜」

「やるな」


辰馬以外のTOP4がニヤニヤしながらそう呟いた



『なななに言ってんの!たつま!(小声)』

「なんで?だめ?」

『だ、だめ、、じゃ、ないような……』

「今日のおんしはより一層訳わからん」


大きな手のひらを私の頭を包むようにおいた。


あぁ、、また心臓が……





「やっぱあんたにはもったいないわ」

『う、うるさい!』


直球ストレート
( 口から心臓が出そうです )








なんだか長くなっちゃった(T_T)
ごちゃごちゃしててすいませんんー
しかも幼馴染みってゆう設定薄い(涙)

あ、天然て、凶器だと思います





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