『…んー……』


午後の授業はフカフカの保健室のベッドでお昼寝にかぎる



きっついスカートのホックをゆるめて

真っ黒のハイソックスを脱ぎ捨てて。



真っ白いシミ一つないシーツに体を埋めれば、落ちそうなまぶたに逆らえず意識をとばそうとしたとき、






「先生を誘ってるの?尚」


ギシッとわたしが横になっているベッドがなり、もう一度目を開けば、目の前にはいつものセクハラ保健医の顔



『…顔近い。マジ近い』

「なにを今さら。てゆーか、尚はいつになったら俺に喰われるの?」

『わたし軽い女じゃないもん。女の子食べたいなら他の子誘えばいーじゃん』

「俺は尚が食べたい」


ネクタイを片手で器用に緩めながらニヤつくコイツにぞくりと貞操の危機を感じた



『…ったく、いい加減セクハラで訴えるぞ』

「ならその口塞いじゃうぞ」

『……』



私はピタリと口を閉じ、ベッドに横になる私に覆いかぶさるようにいるセクハラ男を睨み付けてやった




このセクハラ、神威は一応この学校の保健医で校内で一番のイケメンでもある。



──が、

爽やかな見た目とは違い、女なら生徒・教師問わず手をだしている超最悪プレイボーイ


本人いわく無理矢理は一度もないとのこと。



そんな、私の大嫌いなタイプのドストライクに君臨する男になぜか目をつけられ、保健室にくるたび明らかセクハラ紛いの発言を連発するのだ




「とゆうか、尚サボりすぎだよ。俺、他の先生に注意されてるんだから」

『ベッドの中で、だろ』

「なんで分かったの?やっぱり尚俺に興味があるんじゃないの?」

『なんでこんなにプラス思考なのか知りたい』

「はー。尚の眠る時の格好って、超ソソられる」

『は?』

「生足だし、スカートは乱れてるし。俺を煽っちゃダメでしょ」

『……ッ』


私は焦りながらホックをつけなおした




「あー残念。本当に俺を誘ってるわけじゃないんだ?」

『わたしは先生の性欲処理の道具になるつもりないんで』


そういいながら散乱した靴下を拾い集めて片方ずつはいていった



みんなみんなコイツに抱かれてなにが楽しいんだろうか


私にはまったく理解できない。



靴下を両足はき終えて、ベッドから足だけを出し地面に並べられた内履きに手をかけたとき、




ギッ


神威がぐいっと顔を近付けて、逃がさないというように腕をベッドにあずけて両腕で私を挟んだ



『…つ!』

「あは。赤くなった」

『ち、近いから…!!離れっ…』



「俺は、尚を他の子たちと同じのただの性欲処理の道具として見てないから」


『………へ?』




じゃあどんな目で――‐




なんて聞くほど私は鈍くないけれど、辿り着く答えはありえないもので。

ありえないと分かりながらも顔はどんどんと紅潮していった



『じゅ、授業!!!』


私は勢いよく神威を避けながら立ち上がり乱暴に保健室の扉をあけた



危なかった

本当に危なかった。


心臓が、破れるんじゃないかってぐらいに高鳴っている



ここにいたら、完璧に神威のペースに呑まれる──






「尚」




「また、おいでよ」



私は神威の言葉を背中越しに聞いて逃げるように保健室をでた






プレイボーイの囁き
( もう俺のペースだけどね )








高杉の次に保険医にしちゃいけません





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