「うっひゃあーーッッ!!!」


ドタンバタン!


社長室でいつもの社長の悲鳴が聞こえた



コツ、コツ、

ガチャ


『社長今度はなにしでかしたんですか』


中へはいれば案の定社長室はぐちゃぐちゃで。


棚から落ちたであろう本が散乱し社長は地面に尻餅をついていた



「おおー、尚ー助けてくれんかぁー」

『…社長、今度はどんなお探し物を?資料がぐちゃぐちゃになってるじゃないですか。』

「すまんのー…ある本をなー探しよったんじゃー」

『?どんな本です?』


わたしは社長がばらばらにした本や資料をひろい、棚へと戻しながら聞けば、

社長は倒れた椅子を直しながら口を開いた



「人間の意思の変え方」


『へえ。一体…





は?』



「ないのォ〜」

『…誰か意思を変えたい人でもいるんですか?』

「尚に決まっちゅうが」

『私!?』

「そうじゃー」



社長からでた意外すぎる言葉に勢いよく後ろを振り返れば、

くりんくりん頭の社長が椅子に座りながらじーっとわたしを見ていた



『…な、何故私…ですか』

「尚、昨日わしの秘書辞めるゆうたじゃろ」

『……あ』

「……わしの勝手な行動にも我が儘な要望にも文句ぶつくさ垂れながらもついてきよったんはおんしだけじゃき。…尚以外わしの秘書は務まらん」

『……』

「わしは、尚に辞めてほしくないぜよ。わしにはおんしが必要なんじゃ』


社長はいつものふざけた口調とは違い、真面目な口調と視線で私を見つめた



ドクドクと高鳴る心臓


どんどんと高くなっていく脈拍にわたしはゆっくりと口を開いた



『……社長』

「ん?」




『エイプリルフールです』






四月バカと社長
( 一生ついていきます )








こんな社長のいる会社に就きたい




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