煌く綺羅の夜 | ナノ


▽ 番外編 ある家族の話。


「 ふぇ〜ん 」
子供の泣き声がする。
「 今度はどうしたの? 」
「 また蓮夜? 」
「 にーに、どーちたの? 」
母は泣いている息子を抱き上げ
父はまたか、と苦笑する
妹は人形を抱きしめ兄を見る
「ふぇ、っく・・ひ、っく・・」
「泣いてちゃ、わからないわ。お母さんに話してみて?」
そう母は優しく微笑む
息子はそんな母を見つめおずおずと口を開く
「おじちゃんがくれたプレゼント…でっかいバッタが入ってたの」
「あらあら」
「またあいつは・・・」
「ばった?ばった、こあい?」
母は息子の言葉に可笑しそうに笑い
父は話に出てきた人物に呆れる
妹はその存在が何かよく理解出来ていない
「大丈夫よ、バッタさんもみんな、お友達でしょ?」
母がそう諭すが
「バッタは飛ぶから嫌だもん・・・ふぇ〜ん」
兄はまた泣き出す始末
「蓮夜…泣いてばかりいたら、由花に笑われるぞ?」
父はそう言いながら妹を抱き上げる
「たかいたかい」
妹はキャッ、キャッと声をあげて喜ぶ


男の子―兄・蓮夜―
いつまでたっても泣き虫。
誰に似たのか。

女の子―妹・由花―
天真爛漫で常に笑顔。
母似か。

男の人―父・由騎夜―
子供が出来ても相変わらず
兄には弱い。

女の人―母・蓮花―
子供を産み一層
その優しさが深まる。


移設20171202
初期20050917
前(旧)サイト1周年記念。




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