「愛してる」



優貴は一人暮らしをしている。
2LDKのマンションで20代後半の独身の女性では普通だろう。
今日は週末前の金曜日。普段なら、残業や飲み会が入るのだが、今日は特に何もなく定時で退社することが出来た。

「…雅嗣…予定入ってるかな」

優貴は最愛の恋人である雅嗣にメールを打った。

――――――

件名:今日
本文:夜、予定ある?
   私、定時で上がれたから家に来ない?
   来れるようだったら、会社出たらメールして♪

――――――

優貴は久しぶりに料理に力を入れた。
雅嗣の予定はまだはっきりしない。それでも、どんなに遅くなっても部屋に来てくれることが確信できたから。普段、どんなに俺様な態度でいても、やっぱり恋人にかわりはなく。何だかんだ優しい雅嗣が優貴は好きだった。



雅嗣から連絡が入ったのは、それから3時間後の午後9時を少し回った頃だった。
その頃には、すっかり料理も出来ていて。

―――――――

件名:non title
本文:これから向かう

―――――――

たったそれだけの短い文だったが、優貴は雅嗣が急いでやって来てくれることが手に取るようにわかった。

<遅くなった、急いで"これから向かう">

思わず、頬が緩んでしまう。

それから10分後、かなり愛車を飛ばしてきたのであろう雅嗣の姿が優貴の部屋にあった。片手には、遅くなった詫びの印か、優貴の好きなワインを持って・・・。
それを見た優貴の顔は、本当にこの男を好きになって良かった、と心から思っているものだった。


「雅嗣?」
「なんだ?」
「愛してる」
「…知ってる、俺もだ」


20171103 [20050704]
何が書きたかったんだ、自分。撃沈です(爆)
とりあえず、久しぶりに雅嗣兄さんと優貴さんです。雅嗣が普段、俺様なのは照れだと。



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