片思い
――これはまだ、有麻と和幸が付き合う少し前のお話。
ある日の放課後、有麻は親友の香とショッピングをしてから、カフェにきていた。
「ねぇ、香。先輩とは順調?」 「もちろん。昨日も寝る前に電話して、今度先輩のお家に遊びに行く約束したわよ」 「そっか…いいなぁ〜」 「有麻は、その憧れの"和くん"とはどうなの?」
有麻は香の言葉に、ふっと視線を泳がせた。それに気づいた香がすかさず、疑問の表情を浮かべる。
「それがね、前に話したパーティがあったじゃない?」 「あー……うん」 「その時、会社の"同期"っていう女の人と仲良さ気に話しててさー…やっぱり、高校生のお子さまな私より、大人の女の人の方が似合ってるな…って、思っちゃって。お兄ちゃんや、優貴さんはそんなことない、って言ってくれたけど。」 「………」 「何?」 「そんなことで暗い顔してたの?」 「そんなことじゃないよ!!重大なことよ!!」 「有麻〜、有麻だって今は制服着てるけど、私服なら充分、大人っぽいわよ?そんなシケた顔しないの」 「う″――……」
有麻は香の言葉に納得がいないようで、項垂れた。
「そうやって、あれこれ考えちゃうのも片思いの特権なんだから、もっとプラス思考な考えしなきゃ。それに、有麻には笑顔が一番似合うわよ」
そう言って香は、有麻にウィンクしてみせた。
「そっか…そうだよね!なんだか、元気出てきた、ありがとう香!」 「いえいえ、ケーキ1個でいいわよ?」 「え―――っ!!」
20171103[20041129] 笑顔が似合う女の子って素敵だと思うんですね。 片思いのときって、色々考えて1人で暗くなったりしがちですけど、笑顔でいたほうが相手にも好印象だと思うし、片思いも楽しくなるのかな、って思うんです。
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