ちょい便所借りるな。そう言って立ち上がった仁王は数歩進んだところでテーブルの脚に足の小指をぶつけて倒れた。おいおい俺のテーブルに謝れよとか思ったけど仁王がすごく痛そうにしているので一応大丈夫?と聞いてみると、小さく首を横に降るだけでまた動かなくなった。ほら、お前の好きなグラドルがテレビ出てんぞ、と孫の手でつついてみるも反応がない。そして俺はあることに気が付いた。仁王が足をぶつけて10センチほど動いたテーブルの先に、無惨に壊れたガンプラがあったのだ。痛みに悶えている仁王に俺は怒鳴った。「おま!ガンプラ!俺のガンプラ真っ二つ!」俺は怒り狂った。テーブルに謝って済むどころの問題ではなくなってしまったのだから当然だ。俺の努力の結晶がこいつの臭い足のせいで水の泡になってしまったと思うとショックと怒りは量り知れないくらいに膨れ上がった。うずくまる仁王に俺は容赦なく詰め寄ってこう言う、死んで詫びろ。それでも一向に顔を上げない仁王に俺は苛立ち、馬乗りになって無理矢理顔を上げさせようと試みると部屋のドアが申し訳なさそうにキィと開いた。ドアを開けたのは弟達で、俺と仁王を交互に見た後にこう言った「におうのこといじめないで」
100418