真夏日



暑い、暑過ぎるだろ

ここ最近は連日猛暑が続き外に出ただけで汗が流れ出す

大概の奴らは余程の用事が無い限り寮から出ようとしない

俺の愛しいあいつもこの暑さでは流石に外に出ていないと思っていた

手土産を持って部屋を訪ねてみた

が、俺の考えは甘かったようだ

部屋には人の気配は無く、生温い空気が俺を迎えた

「…折角持ってきたのにな」

手土産からポタリと雫が落ちた




それから一度部屋に戻ってクーラーボックスを持って土産を中に入れる

氷は食堂から拝借した

「さて、と」

あいつが居る場所といえば多分あそこだろ

生徒立ち入り禁止区域へと足を向けた




「はっ!」

案の定河原からは聞きなれた声が聞こえてきた

どうも熱中しすぎてるらしくこちらにはまだ気づいていない

静かに近づきすぎて攻撃されては溜まったもんじゃない

「おい野田!」

「ん?」

「ちょっと休憩しろよ」

そう言って無理やり木陰まで連れて行って座らせる

「なんだ、俺は休憩など無くてもいい」

「まぁそう言うなって。折角持ってきたんだし食え」

クーラーボックスの中身を差し出せば野田は少し驚いているようだった

「アイス?」

「おうっ!熱いから食堂で買ってきた」

「普通持ってくるとしたら水分とかだろ」

無駄に水分を取るよりも余程涼しくなると思い買った

まさかこんなところまで持ってくることになろうとは思ってなかったが

「あんまり気にすんなよ。あっ、2個目もあるからな」

他の生徒に少々白い目で見られたが余分に買ってきてあった

「…おう」

素直にお礼も言えないところがまた可愛い

「でもあんまり無理すんなよ」

「別にしていない」

「説得力ねぇ格好してるくせによく言うな」

今の野田といえば髪は風呂上りのようにびしょ濡れで服も色が変わってしまうほど汗が滲んでいる

「別に俺が倒れたところで問題は無いだろう」

「あるよ、俺が困る」

「え、」

「もしお前が倒れでもしたら心配しすぎてどうにかなっちまう」

「………」

野田の目を見つめれば居心地悪るそうに彷徨っている

「だから頑張るのはいいけど俺のために無理すんなよ」

当等絶えられなくなったのか俯いてしまった

やりすぎたかなと思っていると勢いよく手が伸びてきた

「は?」

「っ、アイス!もう1個食う」

「え、あ、アイスな。はい」

しかし渡したアイスを食べる気配も無く、顔も上げない

「どうしたんだ?」

尋ねてから暫くすると小さな声が返ってきた

「…そこまで言うのならお前に免じて無理はしない」

「、ありがとな」

まさか先程の事への返事が返ってくるなんて思ってもいなくて、嬉しすぎて声が震えてしまった

本当に愛しいにも程がある

きっと君は自分の耳が凄く赤くなってるなんてことには気が付いてないんだろうな





真夏日
(頬が紅さは暑さのせいだけじゃない)




杏様のリクエストで日野でした!
まず初めに…遅くなってしまい申し訳御座いませんっ!!!!
大変申し訳ないと思っています…

シチュなどの指定がありませんでしたのでちょっと甘めにしてみましがいかがでしょうか?
いつでも書き直しますのでご不満があれば気にせずどうぞ!
それではリクエストありがとう御座いました!!!









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