音野/R-18
音無視点

18歳未満の方は閲覧をご遠慮下さい。
※どうしてもぬるい…



SSSの作戦本部となっている校長室に入るには、合言葉を必要とする。
そうしなければ仕掛けられたトラップが発動し、ドアに手をかけた者のからだは簡単に宙を舞うことになる。
合言葉はそれを回避するための手段だが、その他にも役立つ存在であるのだ。
例えば、今みたいに、恋人と二人っきりでいるとき。
校長室に誰も来ていないのをいいことに、軽い触れ合いのその先に進もうとしたら、愛しい恋人にその手の侵入を阻まれた。

「誰か来たらすぐわかるだろ、合言葉を言わなきゃいけないんだから」

掴まれた腕を無理に動かすことはせず、拒む野田を懐柔するように優しく話しかけた。
誰か来たらすぐやめるから、と言葉を添えて野田の許しを得ようとするが、なかなか彼は首を縦に振らない。
野田は頑固なところがあるから、一点から攻めていると時間がかかる。
そこで俺は違う案を持ちかけた。

「じゃあ、空き教室に移動しようか」
「あんな鍵のかからないところで出来るか」

そう言ってまったくなびく様子を見せない野田。
河原で行為に至ったこともあるのだが、それを言うと僅かな可能性がたちまちゼロになってしまうので、今は黙っておく。

「鍵がかかればいいのか?」
「…かからないよりいいだろう」

なるほど。
ここからそう遠くなくて、鍵のかかるところ。
となると…。

「ここか」
「…どうしてここなんだ」

校長室を出た俺たちは、そこから一番近い男子トイレの個室にいた。

「ちゃんと鍵かかるぞ」
「しかし、」
「しっ、声出したらバレる」

今はこのトイレ内に俺たちしかいないが、いつ誰が来るともわからない。
まぁそこがまたいいかもしれない。
最初は妥協案としてのことだったが、俺はすでに楽しみを見出していた。
NPCのいる教室からは遠いが、そのかわりSSSの拠点である校長室からは近い男子トイレの一室での情事。

「大丈夫、声出さなきゃバレないから」

自分で言っておいてなんだが、野田にはそれは酷なことだろうなぁと思う。
でも、愛しているから欲しくなる。
野田を言い包めるように言葉をかけつつ、その合間にキスを挟んでその気にさせれば、最初は渋っていた野田も三度目の深いキスをする頃には蕩けるような表情に変わる。
そんな野田の様子を眺めて、ひそかににやりと笑む。
頑固なくせに流されやすい、野田は本当に可愛い。
ガードが堅いように見えて、快楽に弱いのだ、俺の愛しい恋人は。
それゆえ心配になることもあるが、今は本能に負けて快楽を求め出した野田を満足させてやることに専心する。
ボタンを外すのももどかしくて、ワイシャツをたくし上げ、野田の褐色の肌の上に手を滑らせた。

「ふ…ぁ…」

校舎内での行為に野田も興奮しているのかもしれない。
いつもより感度がいい気がするのはきっと俺の気のせいじゃない。

「なんでいつもより感じてんの?」
「そんなこと、んっ、」

問いかけながらも、野田のからだをまさぐる手は休めず、確実に熱を引き出していく。
引き締まった腹の上から肋骨をなぞるように撫で上げ、胸の中心へと近づく。
そこでワイシャツの下を動き回る手とは反対の手を野田の腰へまわし、狭い室内でもっと密着するようにからだを引き寄せた。

「野田…」

呼びかけに応じて顔を上げた彼の唇を自分のそれで塞ぐ。
それに合わせて、胸元をさまよっていた指を胸の突起へと寄せた。

「んっ、ぅ…」

キスで口が塞がっているため、鼻から抜けるような声を漏らす野田。
漏れ出る吐息の色っぽさに、貪るようなキスもエスカレートし、芯を持ち始めた胸の尖りを指先で円を描くようにこねくり回す。

「んんっ、んぁ、」

唇を離すとお互いの間に銀の糸が伝い、自由になった野田の口からは艷めいた声が零れた。

「声、我慢しろよ?」

そう言って野田のベルトを緩め、制服のズボンを寛げていく。
腰が密着しているため、お互いの中心にすでに熱が集まっていることははっきりとわかる。
指に唾液を絡め、それを野田の後孔へと持っていく。
すっと尻の割れ目に指を滑らせると、野田がぴくりと反応した。
そして後孔へぴたりと指を宛てがえば、ぎゅっとブレザーを掴まれる。
いちいち反応が可愛いんだ、野田は。
そんな恋人の反応を楽しみつつ、中指をぐっと野田のナカへ押し込んだ。

「はぁ、んっ、」

内壁を押し広げるようにぐりぐりと指を押し進める。
その度に野田の口からは押し殺し切れない艶声が漏れた。

「あぅ、ん…ぁ…はっ、ぁ…」
「つらい?」

声を我慢しているせいかいつもより目尻に涙をためた野田は、俺の問いかけにふるふると首を振って答えた。
最初は小指一本でさえ呑み込むのを拒んでいた野田の後孔も、今では中指をすんなりと咥え込むようになっていた。
それが俺との行為を積み重ねた結果だと思うと、得も言われぬ感情に胸が満たされた。
中指がスムーズに動かせるようになってきたところで、人差し指を追加する。

「あぁ、ん…んっ、はぁ…んん…」

2本の指で内壁を擦り上げるように解していけば、その動きに合わせるように野田の腰も揺れた。
野田が動くと制服越しに昂りが擦れて快感を生む。
早く挿れたい、けれど俺を受け入れる野田の負担を出来るだけ軽くしてやりたい。
そんな感情と葛藤しながら野田を見ると、声を抑えるためか唇を強く噛んでいた。

「あんまり強く唇噛むなよ」

溢れでそうになる嬌声を堪える野田の唇にもう片方の手を近づけ、その輪郭をなぞるように指を這わせれば、野田は切なげに眉を寄せ潤んだ瞳で俺を見つめた。
あぁもうだめ、今すぐ挿れたくてたまらない。
そう思って野田のナカを解していた指を引き抜こうとしたそのとき、

「校長室に誰もいないなんてめずらしいよな」
「そうだね、みんなどこ行っちゃったのかな?」

個室の外からよく知っている人物の声が聴こえてきた。
この声は間違いなく藤巻と大山だ。
俺の指はまだ第二関節まで野田の後孔に入ったまま。
とりあえず引き抜こうと思い、指を動かそうとすると、野田が首を振ってそれを制した。
耳元に寄せられた野田の唇が、

「今動かしたら、声、出るから…」

小声でそう囁いた。
その言葉で俺は指を動かすのをやめた。
しかし、野田の腰がもどかしげにゆらゆらと揺れる。

「野田、腰揺れてる」
「ぁ、だって…」
「藤巻と大山に声聴かせるつもり?」
「ゃ、ちが、う…」

耳元で語りかける声にふるりとからだを震わせた野田は、切なげな吐息を吐き出してつらさを訴える。
確かにこの状態でおあずけはつらい。
俺も早く野田のナカを味わいたくてたまらない。
藤巻、大山、早く出て行ってくれ。
理不尽とわかりつつも切実な思いを外にいる二人に向かって念じた。
それにしても、俺の指を咥え込んだまま自分で腰を揺らす野田はとても淫らだ。
その煽情的な様に俺のモノも硬さを増し、張り詰めていく。
声を必死に堪える野田の唇を塞ぐように、自身の唇を重ねた。
重なりあった唇から漏れる微かな水音が狭い室内ではね返って鼓膜を震わせる。
外に人がいるという状況が興奮を掻き立て、頭をじんじんと痺れさせた。
ちゅ、と音を立てて長いキスを終える頃には、外にいた二人の声も気配もしなくなっていた。
二人が出て行ったことを感じるとすぐに野田の後孔に入ったままだった二本の指を引き抜き、野田のからだを反転させる。

「壁に手ついて」

背を向けて俺の言葉通り壁に手をついた野田は、腰を突き出す格好になる。
邪魔が入ったことで焦らされた俺のモノは熱を持て余し完全に起ち上がっていた。
カチャカチャと手早くベルトを外し、下着ごと制服のズボンをずり下げて屹立の先端を野田の後孔に押しつける。

「挿れるぞ」

その言葉に野田がこくんと頷くのを確認して、ぐっと野田のナカに突き入れた。

「ああっ…! ん…っ」

待ちわびた野田のナカは溶けるように熱く、ひくひくと収縮を繰り返して俺のモノを咥え込む。

「…あんま持ちそうにない」
「いい、から、早く、っ」

焦らされ限界が近いのは野田も同じようだ。
それじゃあ遠慮なく。
野田の腰を掴み、がつがつと野田の奥深くまで突き上げた。

「あぁっん! あっ、あ、んぅ…はぁ、んっ…!」

腰を動かす度に狭い室内に木霊する、ぐちぐちと結合部から溢れる粘着質な音と、ぱんぱんと素肌がぶつかり合う乾いた音。
野田は声を抑えることも忘れて、俺に揺さぶられるままに喘いだ。
俺もそれを気にする余裕はとっくになくなっていた。
前後への律動を繰り返し、二人とも絶頂へ向けてのぼり詰めていく。

「あっ、おと、なし…! あぁん、はぁ…あ、ん、っ!」
「野田、俺もう、イキそ…っ」
「んっ、ナカに、出して、あっ…いい、あぁ…!」

その言葉を聞いて、俺は入り口付近まで引き抜いた昂りを一際強く野田のナカに突き立てた。

「あ、ああああっ!」
「ん…っ!」

熱い野田の最奥にどくりと白濁を放った。
野田はぶるりと震えてそれを受け止め、吐精した。

「はぁ…はぁ…」

肩を上下させ荒い呼吸を繰り返す野田の耳元に口を寄せる。

「好きだよ」

そう囁けば、真っ赤な顔をした野田に、

「っ…俺も、好きだ…」

と返された。
あぁ、1回でやめられそうにないかも。



狭い空間をで埋める




fin.

(100620)

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「微重」管理人:秋リエ