初めて会ったとき、その人はボロボロで この世の全てを憎むかのような、絶望と、殺気に満ちた目で私を見た。 どうして? どうしてみんな、死のうとするの? 残された人間はどうすればいいの? 泣いても喚いても、死んでしまった人は還らない。 私自身、身を持って知っている。 死なせたくない。死んでほしくない。 もうこれ以上、誰かがいなくなるのは耐えられない。 勝手かも知れないけど、この人を死なせたくないと心の底から思った。 「いい加減にしてぇっ!!」 色んな想いが堰を切ったように溢れて、気が付いたら私はその人に叫んでいた。 その人は驚いて私を見た。 絶望と、寂しさに満ちた、やり切れない顔をして。 end. |