Shadow Phantom | ナノ
 13:やったね! 初任務が決定したよ

「ギアッチョの様子は?」
「軽い脳震盪で済んだからな。今は自室で寝ている」
 倉庫での決闘の後、伸びているギアッチョを何人かで運びアジトに戻った。運んでいる時に、霧坂はオレに申し訳なさそうに頭を下げた。倉庫や周辺を派手に壊してしまった事と、ギアッチョに対しての事だった。この話を出したのはオレだったし、正直相手をギアッチョにしておいて正解だったという安堵感もあり、霧坂を咎めるつもりはないと告げるとホッとした表情を浮かべていた。そんな霧坂も疲れたのか部屋で寝ていると、様子を見に行ったイルーゾォから聞く。
「全員さっきのを見てどう思った?」
「なんかスタンドの形がよ、気味悪かったな」
「それ、プロシュートも人の事言えないじゃないか。目玉だらけで内臓みたいのがニョロニョロでてんじゃん」
「気味が悪いのは同意。真っ黒で下半身が見えないでっかい骸骨だけど、暗闇でユラユラ揺れていた」
「形も変えられるみたいだな。足場みたいにしてたし……あのパワーを見るからにして相手をギアッチョにしておいて良かったな。オレらだったらミンチにされた」
 次々上がる意見を取り入れつつ、イルーゾォに頼んでいた事を聞いた。
「イルーゾォ、この一週間の霧坂の行動は?」
「怪しい所がないってのが、逆に怪しくなるほどおかしな事はないかな。トラットリアで給仕のバイトをしてるみたいで、夕方まではそこで働いていた。夜はいつの間にかいなくなっていたから、そこまでは把握できなかった。アジトの部屋にいる時は、読書をしていたよ……報告は以上」
「まぁ、ああいう外面が良さそうなタイプなら堅気の仕事もできるだろうな」
 イルーゾォの報告を横から聞いたホルマジオが、ケラケラと笑った。
「霧坂はずっと一般人のフリをして生活していたらしいからな。そういう事情もあるのだろう……さて、霧坂の実力もわかったから任務の方もやらせようかと思う」
「誰を付けるんだい? オレ一緒に行きたいな」
「メローネは今度だ。イルーゾォかホルマジオかプロシュートの中から決めようかと」
「仕方がないな。オレが行ってやってもいいぜ」
 オレの提案に、プロシュートが名乗り出る。なんだかんだ言ってこういう所は面倒見がいい。それに続き、じゃあオレもーとホルマジオも同意してくれたのでこの二人に頼む事になった。このチームについて長いだけであって、こういう役割は得意らしかった。

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