Shadow Phantom | ナノ
 7:案内してもらいましょう

 とりあえず言われたとおりに誰かに案内をしてもらおうと、リビングに戻ると何人かはいなくなっていて、オレンジ頭の人とさっきの気味の悪い金髪の人と金髪でやたら美形な人が残っていた。向こうは最初は雑談でこっちに気が付かなかったが、オレンジ頭の人に声をかけられた。
「よお、もう話は終ったのか?」
「えぇ、お陰様で。えーっと、そういえばまだ名前を聞いてませんでしたね」
「そんなかしこまった喋り方するなよぉ〜オレはホルマジオ」
「オレはプロシュート、舎弟にペッシていうやつがいるが今は使い中だ」
「そしてオレはメローネだよ。よろしくね凜。苗字だと言いにくいから下の名前で呼ばせてもらうぜ」
 次々と紹介されたので、顔と名前を記憶する。たださえこっちの人の顔は似たように見えるから間違えないようにするのは大変だ。(と言っても、きっと向こうも同じことを思っているだろう)
「こっちこそよろしく。申し訳ないんだけど、誰かアジトの案内をしてもらえないかな?」
「じゃあ、オレがしてあげるよ〜」
 メローネが快く受けてくれたが、さっきみたいにされたら嫌だなと心の中でそっと思った。

 まず二階にはリビングとキッチンがあり、リビングから執務室に行くと奥にはリーダーの部屋がある。ここのチームも晩御飯だけ当番制で食事を作る事になっているそうだ。廊下の左側にあったドアは、右から今は出かけているソルベとジェラートの部屋、ホルマジオの部屋にバスルームとトイレ、そしてプロシュートとペッシの部屋だ。二人組みの所は壁をぶち抜いて無理やり作ったそうだ。
 次に三階。右には扉が二枚、左には五枚の扉。右はバスルームとトイレで、左は手前からメローネ、さっきソファーを蹴っ飛ばしていたギアッチョ、あんまり印象に残らなかったイルーゾォという人の部屋。僕の部屋はイルーゾォの隣じゃないかなとメローネが言う。中を覗いてみると、5畳ぐらいの広さに小さな窓が一つあり何も置かれていない部屋だった。
 そして最後に屋上に登った。そこまで高い建物ではないから街を一望できるわけではないが、開放感があり洗濯物を干すスペースもあった。
「なかなかいいアジトだね。気に入ったよ」
「オレも結構気に入っているよ」
 爽やかに微笑む彼になんだそこまで不気味な人ではないなと思ったが、突然始まった猥談にやっぱりさっきの言葉は撤回した。
 

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