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等身大の君でいて

 ギャングであるナランチャとただの一般人である名前が正式に恋人になってから、名前の誕生日を初めて近々迎える。

 ナランチャは日頃から名前が自分よりも数年先に生きている大人である事と、いくら自分が歳を取っても追いつけず先に行ってしまう寂しさを心の隅で気にしていた。
 優しい名前はそんな事を気にしていなさそうであるが、ナランチャは今回名前の誕生日デートだけでも、名前と同じ大人の振る舞いでエスコートしたいと計画を立て始めた。

 頑張る事にしたナランチャだが、いざ計画を立てようとしても『大人っぽいデートとはどういうのだろう?』と悩み始めていた。普段のデートはショッピングをしたり、トラットリアで飯を食いに行ったり、近くの公園でジェラートを食べながらお喋りをしたりとそんな感じだ。
 もし自分が車でも持っていたら、どこかドライブにでも行ってみたいがまだ子供の自分は持つことができない。こう思い出していみると、自分たちのデートというのは本当にデートと言えるのかも怪しいものだ。
 だが、大人の女性というのは、どういう場所を好むのだろう。いくら頭を回してもなかなか思いつかなかった。
 そんな事を考えていると、ナランチャは街中でブチャラティとアバッキオに出くわした。
「どうした? そんな神妙な顔をして」
「あっ、ブチャラティとアバッキオ! 丁度いい所に! なぁなぁ、大人の二人に聞きたい事があってさ〜」
「あぁっ?」
「何だ相談事か? オレらで良ければ話を聞こう」
 街の見回りをしていたブチャラティとアバッキオは、珍しく何かを考え込んで歩いていたナランチャを見かけ声を掛けた。唐突のナランチャの言葉に一体どうした事やらと、ブチャラティとアバッキオは顔を見合わせた。
「くだらねぇ事だったら、承知しねぇぞ? ……まぁ、今から飯を食いに行く所だ。そこで聞いてやるよ」
「グラッツェ〜!」 
 アバッキオは何だかんだで、こういう相談事を聞いてくれるのでいい奴だよなぁとナランチャは思いながらもテンションを上げた。
 浮かれていないでちゃんと前見て歩けと、ナランチャはアバッキオに叱られながらも三人は食事を取る店を探したのだった。

 三人がやってきたのは、馴染みの一つであるリストランテ。
 店奥にあるこの個室は、多少騒いでしまってもそんなに声が届かず、迷惑が掛かりにくい点がブチャラティは気に入っていた。ここなら落ち着いてナランチャの相談に乗れそうだとチョイスしたのだ。
 それぞれが注文した料理が運ばれると、ナランチャは思い立ったように口を開いた。
「――大人の女が喜びそうなデートプランだぁ?」
「ずっと悩んでいるけどさぁ……さっぱり出てこねぇんだ! こういうの慣れてねぇから、二人ならわかるかもって!」
 ガキだと思っていたナランチャが、まさか色めいた相談をしてくるなんてアバッキオは予想もしなかった。最初はフーゴとまた喧嘩でもしたのかと思ったが、それが大きく外れて面食らってしまう。
「そうだな……大人の女と言うよりも、デートに誘う女が好きな場所に行くのがいいんじゃねぇか?」
 ブチャラティもアバッキオと同じ事を思っていたのか、意外そうな表情を浮かべていたが少しばかり考えて発言をした。
 前々から何となくナランチャには恋人がいるんだろうなとは思っていたが、今まで仲間たちにノロケ話どころか、彼女がいるとも教えてもらえた事がなかったのだ。それがちょっぴり寂しかった所はあったが、仲間のプライベートまで口出しする気がなかった。だけど、こうやって恋愛に関しての相談事を持ちかけてくれたのが素直に嬉しいとブチャラティは感じた。
「その人が好きな場所っか……。はっ! そうだブチャラティ! ブチャラティにもう一つだけ聞きてぇ事があるんだよ!」
 ナランチャは何か良いことでも閃いたのか、目を輝かせ情報を聞き出す。詳しい事を教えてもらっている途中、ブチャラティの携帯電話が鳴った。
「――――すまないナランチャ。実は急遽任務が入ってしまった。今回はアバッキオと行ってくるから、ナランチャはゆっくり飯食ってくれ。……続きは任務が終わってから教えてやる」
「うん、わかったよ。相談乗ってくれてありがとう」
 急に仕事が入ってしまった二人は、慌てて店を出ていったが、そこに入れ替わりでミスタとフーゴがやってきたのだった。

 ナランチャは好物である『キノコがトッピングされたマルガリータ』を頬張りながら、当日のプランを完璧に立てた。だが、肝心のプレゼントの存在を思い出した。そこで、あーだこーだと言い合っている二人に聞いてみることにした。
「プレゼントねぇ……オレならセクシーな下着をって、おいおい。このぐらいで顔赤くするなよ」
「貴方は本当に下品な人だ。下着なんてミスタが一番喜ぶだけじゃあないですか。僕なら……そうだな。普段使えそうな物をプレゼントしますかね」
 自分の欲の為にラグジュアリーを勧めてくるのはミスタらしいと言うべきなのだろうか。どっちにしろまだ大人になっていない自分が、一人だけで女性下着の専門店に足を踏み入れることは非常にハードルが高かった。そんな場所にいる自分を想像しただけで恥ずかしくなる。
 だが、フーゴの冷静な指摘に、ナランチャは気を反らすことができた。
「普段使えそうな物……」
「シンプルなアクセサリーとか、よく書き物をする人とかなら万年筆とか……」
「おいおいフーゴ。アクセサリー類はまだわかるけどよぉ〜万年筆はちょっと堅苦しくね?」
「貴方の下着よりはマシですよ」
 ミスタとフーゴが白熱している間、ナランチャはこんがらがっていた糸が解けた気がした。やっぱり仲間達に相談してよかったと思い、ナランチャは二人に礼を告げて準備をする為に店を飛び出していったのだった。
 あまり難しく考える必要はなかったのだ。結局は恋人が好きなことで喜ばせた方が一番だっていう結論に辿り着いた。


 デート当日。ナランチャと久しぶりのデートする約束をしていた名前は、朝早く起床して身支度をしていた。すでに昨晩ばっちりと用意していた服装に着替えると、普段の髪の毛は簡単に結んではいるが今日の為にと可愛くアレンジする。
 デートに誘われた時に”ちょっと良い店に行くから、おめかしして来いよ”とどこか照れくさそうにナランチャにお願いされたのだ。
 全ての支度を整えて、靴を履こうとした時にもう一つ言われた事を思い出す。『良い店にも行くけれど、少し歩いたりするから普段履きなれた靴にしてくれ』との事だった。ちょっと不思議に思いながらも、名前はあまり足が疲れないパンプスに足を入れた。

「えっ……? もうナランチャ来てる!? 待ち合わせ時間に遅れた?……わけじゃないよね」
 普段は遅れてくるナランチャがすでに待ち合わせ場所に立っていたのを見つけて、名前は思わず足を止めて時計を確認していた。現在の時刻は、待ち合わせ時間の30分も前だ。
「ナランチャ?」
「おっ、おはよ名前」
 普段はラフな格好をしているが、今日はどこか雰囲気が違った。いつもは明るい服を着ていたけど、今着ていたのは落ち着いた色を中心にしていて大人っぽかった。よく似た人かと思わず聞いてしまったが、自分に向けられたいつもの笑顔に安心した。
「待たせちゃったかな?」
「んっ? いや、オレが早く来すぎたんだ。それより、いつもの事だけど今日の名前は一段と可愛いなッ! ……それじゃあ、行こうか」
 ナランチャからの褒め言葉に、頑張って支度して良かったと思いつつ、待ち合わせ時間によく遅れてくるナランチャだけど、珍しい事もあるんだなと名前は驚いた。
 名前は気を取り直して、いつものようにナランチャと手を繋ごうと手を差し伸べた。だが、ナランチャが出したのは手のひらではなく少し肘を曲げた腕であった。
「……えっ?」
「今日は……こっちに捕まってよ」
 戸惑う名前とは逆に、ナランチャは照れくさそうにしていた。どこか鈍感な名前は特に疑問を持つことなく腕に手を絡ませたのだった。
「どこに行こうか?」
「今日はさ、だいたいのプランは立ててあったりするんだよな。まずは……映画館に行こう」
 名前はナランチャの提案に目を丸くした。映画も観ない、本も読まないナランチャが!と驚いていると、ナランチャは良いから良いからと名前を半端引きずるように歩き始めたのだった。

 ナランチャは内心不安でしょうがなかった。あまり着ない服装をして、初めて腕組みをして、絶対に行くこともなかった映画館に入場した。
 あまり知識のない自分が映画など楽しめるのだろうかという思いもあったが、以前テレビのコマーシャルで宣伝していたこの映画を名前が小さな声で"観てみたいな"と呟いていたのを知っていた。
 だからこそ誕生日の今日に連れて行ってあげたいと思った。チケット売り場でもたつくのは格好悪いと思って事前にチケットを購入したのも、慣れないエスコートをするのも全部名前を喜ばせたかったのだが、肝心の名前は喜びよりも驚きの連続だった。


 ――上映から約二時間後、どこか興奮した様子のナランチャとそれをニコニコと見る名前が映画館から出てきた。楽しめる自信が全くなかったナランチャは、自分が想像していた以上に楽しみ、食い入るように見入っていた。
 広いホールに大きな画面。腹の底に響きそうな爆音でとても迫力があった。そしてその映画内容は所謂ミュージカルの分類で、小難しいストーリーを理解しなくても、役者が伸び伸びと歌い華麗に踊る姿はナランチャを魅了していた。
 ホールから出てもずっと映画の事を話しているナランチャを見て、名前はホッとしつつ嬉しかった。いつか二人で映画を観たいと思っていたが、好きではないのなら強制したくはないと考えていた。だが、たまたまこの映画がCMで流れていたのを見て、音楽や歌が好きな彼ならきっと楽しんでもらえるんじゃないかって考えていた。
 どうやら、ナランチャと一緒に観てみたいなって呟いたのを聞かれていたらしい。チケット売り場には向かわず、ポケットから出したシワシワ気味のチケットは、観たかった映画の物だったのだ。
「映画ってのも、なかなか悪くないものだったな。あぁいう、頭をあまり使わないやつだったらオレ観れるかも」
「本当? じゃあ、私レンタルで何か良さそうなのあるか調べてみるね」
「――なぁ、ちょっと早いけど飯食いに行かねぇ? 美味しい店を見つけたんだ」
 楽しいやり取りをしている最中、ナランチャは時計を見て時刻を調べる。感じの良いリストランテの予約時間に近かったので、ナランチャは名前を誘ったのだった。

 二人が来たのは護衛チームの縄張りの一つであるリストランテだった。ここはまだチームで食事をとったことはないが、ピザがなかなか美味いことで評判がいいのと、個室があったのでチョイスしたのだ。
 落ち着いた個室に運ばれてきた料理に舌鼓を打っていると、名前は緊張ではなくどこか不思議な感覚にどこかソワソワしていた。
 今日のナランチャの行動が可笑しいというのも可笑しいが、なんだかいつものナランチャではなくて妙に大人っぽいのだ。
 服装のせいかと思ったが、驚くほどスマートにエスコートをしてくれるのだ。普段なら手を握って、興味を持った事に目を煌めかせてグイグイと私を引っ張っていく。
 だが、今日は自分が車道側を歩いたり、ドアも開けてくれる。バッチリ店の予約までして、待ち合わせの時間にピッタリどころか少し早く来ていた。
 一緒に映画を見れた事は凄く嬉しかったし、こっそりとお店にバースデーケーキのサービスまで頼んであって、なんだかビックリの連続である。
「あのさ……実は名前にプレゼントがあるんだ。オレのセンスだし、そこまで高いやつじゃないから気に入ってくれるかはわからないけど……」
 ナランチャから綺麗にラッピングされた包を渡され、名前は開けていいかの承諾を得ると優しく包を広げた。
「わっ、可愛い」
 中に入っていたのは、小ぶりのピアスだった。星の形で名前の誕生日石が埋まっているシンプルなデザインだ。
「……気に入ってくれたか?」
「うん! せっかくだし、ちょっと今付けてくるね!」
 断りを入れて、名前はトイレに向かう。大きな鏡面台の前で、ナランチャに貰ったピアスをつけた。
 彼の性格だからきっと色々悩んだだろうし、アクセサリーを買うのも結構恥ずかしかったんじゃないかなと色々想像をすれば、思わずニヤニヤとしてしまった。
 付けたピアスを見せれば、ナランチャは安心したようにとても喜んでくれた。
「なぁ、なぁ。ちょっとこの後、行きたい場所があるんだ。ただちょっとネアポリスから離れてて、電車に乗らなきゃいけねぇんだ」
「いいよ。少しなら日帰りで行ける……よね?」
「おうっ! それじゃあ、駅に向かおうぜ」
 預かっていた上着を返してもらい、店から出ようとするナランチャに慌てて名前は呼び止めた。
 だが、すでにお会計を済ましてあることを知ると、本日何度目かわからない驚きをしてナランチャにお礼を言ったのだった。
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 ネアポリスから電車で移動して辿り着いたのは、世界でも名の高い『ポンペイ遺跡』……の周辺だ。本来なら人がごった返しているはずだが、遺跡の閉園時間が近いからか人は殆どいない。
 このあたりは民家は少なく、ネアポリスと比べるとだいぶ暗い。まず女一人では歩きたくないだろう。
「……怖いか?」
 ナランチャは、名前が自分の腕を掴む力がほんの少し強くなったのを感じ、声を掛ける。
「うん。でもほんのちょっぴりだけね。……怖くないけれど、何だかドキドキしてる」
 あたりが暗くなるこの時間帯、普段の名前は防犯も含めて出歩くことはない。ましてやこんなにも、人の気配すら感じられない場所は尚更だった。
 だが、今日は隣にナランチャがいるという安心感から、昼間人で溢れる観光地でも夜になると全く居ないのを見て、非日常の事に冒険心というのが湧いた。
「良い所に……あそこに座ろーぜ」
 ナランチャはポツンとあったベンチを見つけると、新品同然の使っていないハンカチを広げて名前を座らせた。お礼を言う名前に返事をしつつ、ナランチャは意を決したように空を見上げた。
「…………良かった」
「えっ?」
 ベンチに座った途端、空を見上げ感嘆の声を漏らしたナランチャに、名前は一体どうしたのかと目を丸くした。だが、ずっと上を向いているナランチャを見て、つられるように空を見上げた。
「あっ……」
 名前の目に飛び込んできたのは、紺碧色の夜空にキラキラと無数に散りばめた星屑だった。故郷ほどではなかったが、長らく見ることができなかった光景に、名前はしばし言葉を失った。
 二人はしばらく言葉を交わすことなく、空を見上げていた。ずっと上を向いて首が疲れるとか、あまり見ていると帰る時間は遅くなってしまうだなんて野暮な事は頭から抜けていた。
 ナランチャは星があんなにも明るいという事を知り、名前は故郷の懐かしい記憶を思い出していた。
「……ここに来たのは、これを見たかったの?」
「見たかったというよりも、見せたかった。と言っても、きっと名前の故郷と比べてはまだまだ見えないんだろうなぁ。……もっとオレが大人だったら、車でもっと星が見れる場所に連れていけたんだけど……」
 名前はナランチャの言葉に、驚いたように目を瞬かせた。そして、今日一日ナランチャがいつものナランチャらしくないのを全て理解した。
「前に言ってただろ? 『ネアポリスの夜景は美しいけれど、故郷のように星が見えないのはちょっと寂しいんだよね』って」
「ありがとうナランチャ。でもね、この星空も含めて一緒に過ごせたこの日が、人生で一番の思い出になったよ」
 だからそんなしょんぼりした顔しないでと名前は促すと、ナランチャはようやく気の抜けたいつもの笑顔を向けてくれた。
「……っ! そうだ、オレ肝心な事を言うのを忘れていた」
 首を傾げる名前に、ナランチャはじっと目を合わせた。
「生まれてきてくれてありがとう」
「えっ!?」
「……まだ母さんが生きていた頃、毎年オレの誕生日になると言ってくれたんだ。忘れていたけれど、いつか大事な人に自分も伝えたいって思ったからさ」
 でも、ちょっと恥ずかしい台詞だよなと頬を赤らめるナランチャに、名前もつられて頬を熱くしたが、これが当然嬉しさからの紅潮だ。
「もうこんな時間か……そろそろネアポリスに戻ろう。帰るのが遅くなるからな」
 照れを隠すように、ナランチャはわざと明るい声を出して立ち上がると、いつの間にか自分が名前の手と握り合っていた事に気がついた。
 これはこれで良いのだが、この状態のままでは名前を腕に掴ませられない。どうしようかとナランチャが考え込むと、名前も同じように立ち上がる。
「腕じゃなくて……いつもみたいに手を繋ぎたい。腕組みは嫌いじゃないけど、やっぱりこっちの方が好きなの」
 名前は繋いでいた手をそっと持ち上げると、"だから帰るまでずっと繋いでいて欲しい"とナランチャに頼み込んだ。
 自分はまだそこまで背伸びをしなくてもいいのかもしれない。愛しい恋人の頼みとなれば、無理に取り繕った大人のフリなどせずに、心置きなく自分もしたかった事をすればいいのだ。
 ナランチャは一人でそう納得をすると、しっかりと手を繋ぎ直した。
『大人の女というよりも、その人が喜ぶ事した方が一番だ』と、今更ながらもブチャラティが教えてくれた言葉がよく響く。明日にでも協力してくれた皆にお礼を言わないとなと、ナランチャはご機嫌な様子の名前を見て、しみじみと思うのだった。
 帰りのタクシーで、世間話好きの運転手に『ラブラブだね』とか色々冷やかされても、ナランチャは今日一日お預けだったこの小さな手を、名前の家まで送り届けるまで離すことはなかった。
 
 終



あとがき

 アリス様から頂いた、『ナランチャと手を繋いでデートをする話』というリクエストから書かせていただきました。だいぶお待たせしてしまって申し訳ありませんでした。
 今回の話、二人をどこでデートさせようかだいぶ悩まさせてもらいました。
 そこで、そういえばまだ自分は『夢主の誕生日を祝う話』というのを書いたことがないなぁって思いまして、リクエストに+して『年上夢主に少しでも見合う男になりたくて、夢主の誕生日に頑張って背伸びをする』という設定を付け足させてもらいました。
 また細かい話設定はmemoの方で載せようかと思ってます(それかネタ帳かな)。肝心の手を繋ぐ描写は最後の方になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
 アリス様、リクエストありがとうございました。今回もお楽しみただけたら、光栄です。



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