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ブレイブポリスに新メンバーが発表されるという話に、朝からデッカールームはざわめいていた。やれビルドチームの仲間だの、やれ忍者が増えるだのそれぞれに好き勝手な予想を言い合っている。
「もー、みんな騒ぎすぎだよお!」
「でもボスも聞かされてないんでしょ?気になるんでしょー?」
「そ、そりゃあ気になるけど…」
ドリルボーイにそう言われ、勇太はもごもごといい淀んだ。
そんな時、バンと開いたドアから入ってきた冴島総監に、メンバーたちは口をつぐんだ。
「待たせたな、諸君」
「冴島さん」
「早速新メンバーを紹介…したいところだが、今藤堂が最終チェックを行っているのでな。先にスペックだけ教えておこう」
総監はファイルを取り出し、メインモニタにデータを映し出した。
「新しいメンバーはBP-191。デッカードやデュークと同じBP-100シリーズだ。実は、ブレイブポリス計画当初に設計案はあがっていたんだ」
「私と同じ時期に、ですか」
「うむ。当時は製作を見送ったが…今回デュークのデータに改良を加えて、速度を重視し小型化を図った。新開発ブースターを搭載していてな、単体でのスピードはブレイブポリス最速だ」
「すっごーい!」
「誰よりも速く現場に急行できれば、すばやく市民の安全確保もできますね」
「ああ。もちろんサポートメカとの合体で更なる能力アップもある」
一度は静まったデッカールームが再びにぎやかになる。ニヤニヤと笑う冴島総監は楽しくて仕方が無いといった風だ。
「どんな仲間がくるのかな、ねえデッカード」
「うーん、どうだろうな」
こちらはニコニコと楽しそうな勇太に、デッカードは微笑む。新しい仲間。同じBP-100シリーズ。仲間が増えるのは、とても嬉しい。
冴島総監の警察手帳が鳴って、藤堂の声が聞こえてきた。
『ダンナ、チェックが終わったんでそっちに向かわせましたよ』
「おお、わかった」
返事をするのと同時。ノックされたブレイブポリスの扉に、皆が振り向く。
「よし。入ってきたまえ」
まるで転校生を呼ぶように総監が言うと、シュン、と音を立て扉が開く。入ってきた姿に、全員が釘付けになった。
「失礼します。本日よりブレイブポリスに配属されることになりました。BP-191・ナマエです」
どうぞよろしくお願いします、と敬礼したのは、白を基調としたボディの。
「女の子だあ!」
「フッフッフ、驚いたかね!」
きらきらと目を輝かせる勇太に、新メンバーの『彼女』はにこりと笑ったのだった。
Hello,GIRL!
(よろしく、ボス!)