「小春ぅぅぅぅ…」

周りが引くほどの負のオーラを振り撒くユウジが机に噛り付きながら一点を凝視している。
その視線の先、名前と小春が楽しそうに会話する中に飛び込んで行きたいのだが、小春から静かな牽制を喰らってしまいこうして遠くから眺める状況を受け入れざるを得ない、小春に嫌われたくはないから。

けど…、あんなに小春が楽しそうに…名前羨まし過ぎる!!

「くっそ代われや」
「何が?」
「おわっ、千歳!!急に出てくんなや」
「ここうちのクラスたい」

突然現れた千歳に油断しきっていたユウジは過剰な反応をしてしまい訝しげな視線が更に強まった。

「さっきから何ばしちょると?後姿がごっつー怪しかとよ」
「うっさいほっとけ。俺は今忙しいんや」
「忙しいって、名前と小春見とるだけな気が」
「名前はどうでもええ、俺は小春しか見てへん」
「いやまぁ名前だけ見とったって言ったら許さんかったかも」

顔は笑顔を作っているけれど目が笑っていない。
千歳から不穏な空気を感じ取りユウジは視線を逸らした。

「で、ユウジは二人を見て何をしとったと?」
「そこ聞くか?」
「スルーしてよかと?」
「小春に話し掛けたいんやけど、小春は来るなってオーラだしてんねん」
「結局喋っとるし…」
「来るなって言われたら行けんやんか、でも俺としては小春と話したくてこう葛藤してたわけよ。なぁやっぱここは大人しくするしかないやろか?」
「んー確かに大人しくしとる方がマシやと思うけど」
「そう、やんな」
「ばってん、無理矢理押し切ってみるのもたまには効くかもよ」
「おまっ、それで小春に嫌われたらどないしてくれんねん」
「失敗を恐れてたら何にも出来んばい。それにたまには反抗してみて強く出てみるのも案外よかとよ」

実証は出来ている、と名前をちらりと見やる。
リアルな感じになんだか急に頼もしく思えてきた。

「何事も初めは上手くいかん、ばってんそこで諦めずに失敗から学ぶのが大切やろ。ユウジの気持ちはちゃんと小春に伝わっとるばい」
「ち、千歳ぇぇぇ!!」
「ちょっ、鼻水だけは付けんな!!」
「俺ちょっと自信ついたわ」
「そのいきで頑張るっちゃ」
「おう!!ありがとうな

小春ぅぅぅ!!!」
「あ、ユウジ落ち着け!!その顔のままは」


愛する二人組

(ユウくん何て顔しとるん!?)(好きやで小春!!)(…顔洗って出直してき)




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