「あれ?」

次の授業体育やから着替えよと思ってカバンから体操服出した時、違和感に気付いた。これ私の体操服ちゃうやん、でかすぎ。ということはこの体操服は…

「名前ちゃんはよせな遅れんで」
「あー、ごめん先行っといて」

友達に伝えて体操服を掴んで猛ダッシュ。目指すは蔵のところ。確か2組も体育あったはずやし。


「くーらー」
「どないしたん、そない息切らして。もしかしてそんなに俺に会いたかったんか?」
「ちゃうわアホ」

抱き付こうとする蔵ノ介を払って自分のではない大きな体操服を突き付けた。


「間違ってたんやけど、はよ交換して。次体育やねん」
「ああ、やっぱちゃうかった?」
「やっぱ?」


顔を赤らめるのを見て名前は訝しんだ。そして渡された自分の体操服の状態で全てを理解してしまった。

「も、もしかせんでも着た?」
「さっき体育やってん」

20pほど身長が違うのに、そしていくら細身とはいえ肩幅も違うのになんで着たんだ。全く理解に苦しむよこの片割れ、ちょっと一発殴ってもいいですか?


「なんで着たんよ、ぴちぴちやろ。というかよく着れたな!!」
「洗濯して体操服縮んだんと俺が身長伸びたんかと思ったわ。結構頑張ってんで」
「頑張んなや、うわーどうしてくれるんよ」
「着ればええやん、俺のやつ」
「でかいやん」
「しゃーない、ぴちぴちよりましやろ。それか俺の汗が染み付いた方がええんやったらこっちでも」
「丁重にお断りします。あーもう最悪!!嫌やけどこれ借りるわ」



案の定蔵の体操服はぶかぶかで、友達とかには羨ましがられたけどはっきり言って嬉しくない。良かったら交換してあげるよ、ってくらい。

それにしてもどうやって私の体操服着たんやろ。
伸びてたら絞めるから。



ぴちぴちぶかぶか

「白石顔きもいで」
「俺名前の体操服着ててんで、しかも名前が俺の体操服着て体育してんねんで。想像しただけで興奮するやん」
「変態やろ」
「うわーどうしよ体操服洗濯したくないわー」
「アホや、アホがおる」




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