「もうそれくらいにしときや」
「えーまだワイお腹いっぱいちゃうもん」
「これ以上食べたら満腹なって次の授業寝てまうで?」
「ぜーったいに寝ぇへん」
「ホンマかなぁ、もし金ちゃん寝とったら蔵には一発でバレるわ。そしたら毒手やなー」
「えぇっ、毒手は嫌や!!」
「ソレやったらぁあ!?」
「嫌やー」
「あ、アカン金ちゃん離して!!で、出るって絞まってるってぇぇ!!」



昼休み、いつものようにちぃとご飯食べようって思ったら珍しく用事があるからと断られ、何の成り行きかこれまた珍しく金ちゃんと一緒に食べることになった。


たまにはこういうのも良いなー、とか思ってた昼休み始め。うん、ホンマ甘く見取った自分を怒鳴りたい。


金ちゃんの食欲やば過ぎて手に負えんのやけど!!



食事開始早々にお弁当とくいだおれ丼を完食し、それでもまだお腹を空かせている様子の子犬みたいな金ちゃんに見つめられて堪らずまるごとタコヤキと特大フライパンお好み焼きを奢ってあげたところ、まぁそれだけじゃ済まなかったわけですよ。
そりゃ金ちゃんの胃袋がブラックホールなのは知ってましたよ。
可愛い後輩を甘やかしたくなる気持ちをぐっと堪えて、ここらで止めとかないと、って思うんだけど。


そんなうるうるな瞳で見つめられると罪悪感でいっぱいになる!!

いやでもこれ以上付き合ってたら私の財布事情がね…。


「ご飯は腹八分目が丁度やねんで」
「八分目ってどのくらい?」
「どのくらい、って言われると答え難いんやけど…。まーあちょっと食べたりないかなーってくらい、かな」
「うぅー」
「頑張ってや、今日のおやつはたこ焼きにしたるから。部活終わるまでの辛抱やで」
「ほんまに?」
「ほんまやで」
「よっしゃ!!ありがとう名前。めっちゃ好きやー」
「私も金ちゃん好きやでぇぇえ!?ってやから絞まってる!!」


抱きついてくれるのは可愛いし嬉しいんだけど力が尋常じゃないから胃の中の物があやうく逆流しかけた。


まぁそれは金ちゃんだから許すとして、おやつ代は蔵にでも払ってもらうか…。


「そう言えばちぃどこ行ったんやろ」
「何かミーティングって言っとったで」
「え?」


私はミーティングするなんて話は聞いてない。


「あいつら私無視か。それに金ちゃんも行かんでええの?」
「白石が今日は来んでええから名前と一緒におれって」
「どういう意味…?」

いつもやったらマネージャーの私に真っ先に連絡来るのに、それもなく。
金ちゃんにも聞かせられんような内容の話って…。


「何企んでるんやろなぁ。後で問い詰めなアカンわ」


金ちゃんと一緒




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