「なに、しとるん?」
「名前の寝顔可愛いかった」


目が醒めると何故か彼氏のドアップ。
何でちぃちゃんがいて私の顔を覗き込んでんの。あれ、ここ私の部屋?


「ななななんでいるんよ、てかどうやって入ったわけ?」
「白石が入れてくれたばい」
「…ちょっと殴ってくるわ」
「待つたい、白石もうおらんよ」
「は?」


ベッドから飛び起きて隣の蔵の部屋に殴り込もうとしたらガシッと腕を掴まれ引き止められた。
や、ていうかねおかし過ぎやん。普段は鬱陶しいくらい「男は狼やから気を付けなあかん」とか言ってたやつが妹の部屋に男を勝手に入れる?彼氏やけど、いくら何でも寝てるのに。間抜けな寝顔晒してこっちはむっちゃはずいやんか。ホンマないわ、人の電話勝手に出た事と言い、常識欠落しちゃってる。


「今日朝練無いやん」
「あー…、用事あるとか言っとった、よ?」
「なーんか怪しい」
「女子に呼び出されたとか」
「ふーん」


朝っぱらから蔵を呼び出す物好きがいるんかなぁ?まあ黙ってれば顔は良いけど。何か腑に落ちない。



「白石には学校で会えるけん。それよか着替えてご飯食べな間に合わんよ?」
「え、もうそんな時間!?」


時計を見れば8時前、今日は朝会なので遅刻すればまたガミガミ言われる。

名前は急いでクローゼットから着替えを取出し制服に着替えようとした、が


「着替えるから出てって」
「何もせんたい」
「いやいや何もせんでも無理やから」
「名前と俺の仲やのに」
「そういうの今関係ないから」


あくまで部屋に居座ろうとする千歳を力ずくで引っ張りだし名前は大きく溜め息を吐いた。


これやから朝から部屋に入れるとかありえん。
いくら好きな人とはいえそれはあかん。



大急ぎで着替えて髪の毛をセットしてリビングへ行けば千歳とお母さんが仲良く朝ご飯を食べていた。



「千歳くんおかわりいる?」
「あ、すいません。じゃあ軽めに」
「はいはい。名前もはよ食べなさい」


おかしいやろ、何故娘の彼氏が朝からいる事に突っ込まん。そして普通に朝ご飯食べるな。


「おはよー」
「お、お姉ちゃん!!ちょっと聞いてよ」
「あれ千歳くんいらっしゃい」
「お邪魔してます」



白石家の朝(変則パターン)

みんなおかしいやろ。






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