さっきから名前の携帯が鳴り続けてるのがめっちゃ気になる。女の子の携帯の中身勝手見るのはさすがに失礼やし、かと言って知らん男から掛かってきてたらそれは許せんし。てかそいつ絞める。
名前は風呂に入ったとこでちょっと間出てこんやろうし。どうしよ、ちょっと誰からか見るくらいならばれんかな。


そっと携帯を開きディスプレイに表示されている名前を見て蔵ノ介は迷わず通話ボタンを押した。


『もしもし』
「はい何か御用で?」
『……なんで白石が出ると?』

携帯越しに聞こえてくる不機嫌そうな声に蔵ノ介も少し眉間に皺が寄った。


「一回千歳とは話し合いたかったから」
『は?名前はどぎゃんしたと?』
「今風呂入ってる」
『ふーん…』
「なんやねん。ふーん、て。あっ、まさか今やらしい事考えたやろ」
『やらしいってなんね。大体俺は名前と付き合っとるたい、別に悪いことじゃなか』
「アカンわ、名前が汚れる」
『白石には付き合いきれんたい、それじゃ』
「ちょ、千歳勝手に切んな!!逃げるんか!?」



『…喧嘩売ってきたんはそっちばい』
「ほら一旦落ち着こ」
『白石が落ち着くべきたい』


そうや落ち着け俺。冷静になるんや。


『で、いつまでこうしとけばいいん?名前が出てきたら白石怒られるんじゃなかと?』
「あ、あーそれはそうやねんけど」
『用件あるなら自分の携帯で掛ければ』
「そこまでの事でもないねん」
『よう分からん。ホンマに何で白石が出たと?』
「しゃーないやん、名前に悪い虫が近寄りよったら早めに釘刺しとかなあかんし」


わざとらしく大きな溜め息が聞こえてきた。
失礼やな、こっちは本気やねんぞ。


『はぁ、白石はそのシスコンどうにかするべきやね』
「ええやんか、名前が可愛くて仕方ないねんから」
『やからってあんまりやり過ぎると本気で嫌われるかもしれんとよ』
「それは…、嫌や。けど知っとるか?」
『何を?』
「4組の中山が名前にアドレス聞きよったって小春が言っとった」
『あのサッカー部のやつか』
「そうや」
『アイツは前々から名前にちょっかい出しよった』
「腹立つやろ?」
『一応見張っとったけんど、知らん間に勝手にアドレスを…!!白石、着信拒否にしてアドレス消去するっちゃ』
「勿論そのつもりや。それと明日対策会議やんで」
『分かった』
「それじゃ昼休みにでも」


「蔵、お風呂空いたでー、って!!何勝手に使っとるんよ」



二人がヒートアップしてきた所で風呂上がりの名前がやってきた。蔵ノ介はしまった、と思うも時既に遅し。頭を思いっきり叩かれた。


「最低ホンマありえん」
「ちゃうねんて、名前の為やねん」
「意味分からんわ。何で人の電話に出るんよ」
『名前』
「あ、ちぃちゃん。ごめんな、勝手に蔵が出て」
『白石は悪くなか、##name_1##の為やけん。許したって』
「…ちぃまで何言ってるん?」
「千歳っ、お前…」
『白石明日一緒に頑張るとよ!』
「おう!」




兄と彼氏の内緒話

(二人で何喋ってたん?)(それは企業秘密や)(むっちゃ腹立つ…)







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