私には兄がいます。と言っても私よりこの世に産まれてきたのが数分早かっただけでもしかしたら私が姉になっていた可能性だってあるんです。

そう、私とそいつは双子なのです。



「白石さん、これ蔵ノ介くんに渡しとってくれん?」

今日もたくさん女の子らがプレゼントやら手紙やらを持って私のとこにやってくる。勿論私宛じゃない、蔵宛。自分で渡せよ、って言いたくなるけど最終的には私が渡してあげる羽目に。ホンマ最悪、全部蔵のせいやわ。
無駄に顔が良くてイケメンやら王子様やら持て囃されとる蔵は頭も良くてテニスがむっちゃ上手くて、部長なんか任されてて、愛想もいいし皆に優しくて人望もあってモテモテで。私なんかとは大違い。完璧過ぎるからすっごい腹立つ。絶対私の分の才能とかもお母さんのお腹から出る時に持ってったんやわ。じゃないと双子で此処まで差があって良いわけないやん。
取り敢えず私にとって蔵は敵なのです。






「俺名前ちゃんのこと好きやねん」
「俺もやし!!めっちゃ可愛いよな」
「あんな子が彼女やったらええなぁ」
「付き合ってほしいな」



教室でクラスの男子が話しているのが聞こえてきて思わず俺は机をひっくり返したい衝動に駆られた。
お前等、名前でやらしい妄想しとんとちゃうやろな。
名前は俺の大切な妹、もっとも双子やから変に妹扱いしたら怒られる。そんなとこも可愛いねんけどな。あいつは俺と全然似てないって言うけど、俺からしたら結構似てると思う、姿形じゃなくて内面的なものとか。自分で言うのも何やけど俺はモテる、そして名前もモテる。笑った顔とか天使みたいやし、ちっさい身体やから思わず守ったりたくなるし、普段はツンツンしとるけどホンマは純粋でめっちゃいい子やねん。
やから俺は名前に近寄ろうとする奴は片っ端から潰してる、勿論あいつには内緒で。
そのくらい俺は名前が大事で可愛くて仕方がない。





「蔵ー、今日もいっぱい貢ぎ物やで」
「名前ー、わざわざ俺に逢いに来てくれたんしてやな」
「は?何言っとん自分。勘違いすんな」
「照れんでもええ。可愛いなぁ」
「うざっ」
「名前ー」



デレデレ兄とツンツン妹

(ちょ、抱きつかんとって!!)(ああ名前はええ匂いやな)(ぎゃああああ!!!)








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