「トトロを探しに行くたい」



突然立ち止まったかと思うとそれはそれは嬉しそうな顔で千歳はさらりと言った。



デートって言ってたから内心期待してたのに。そんなきらきらした目で見つめられても私にはどうしようもないよ?



「で、具体的には何処に行くつもり?」
「……………森?」
「何処の?」
「学校の裏山とか」
「学校戻らなあかんやんそれ」


森なんてあまりにも漠然とし過ぎている。そもそもこんな町中に有るわけがないし、トトロが大阪に居ること自体有り得ない話なのに。


名前は目眩がするのを感じながらこの夢見るジブリ好きをどうしようかと考えた。



こんなに楽しそうにしてるのに夢壊すのは可哀想、というかトトロに夢見る可愛過ぎる彼氏に現実を突きつけるなんてそんな酷い事私には出来ん!!
でもトトロを探しに行くぐらいなら学校に戻って授業を受けていた方がよっぽど時間を有効的に使えると思う。と思っちゃったのは内緒です。

いやでもホントどうしよう。勢いで飛び出してきちゃったから制服のままだし、普通なら学生は学校にいる時間帯だからこのままだと間違いなく補導されちゃう。そうなると呼び出されてまた蔵に怒られて…って、最悪だ。負の連鎖に巻き込まれてるよ。



「うわー…どうしたら正規ルートに…」
「なあ」


くいっと袖を引っ張られて今度は何だ、と思っているときらきら笑顔の千歳が手を差し出してきた。


「こんなとこ居っても時間の無駄なかとよ」
「え、どうすんの?」
「一先ず俺んちで作戦会議ばい。トトロが住んでそうなとこをリサーチしてから突撃じゃ」


うろうろして補導されるよりはマシだけど、どうやって探すんだろう。何が正解なんだろう。こんな調子で今日は家に帰れるんだろうか。



ま、ちぃちゃんが楽しいならそれでいっか。



トトロ生息ケ所をリサーチ

(メイイイイ!!)(結局はトトロ鑑賞会やん…)







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