「な、なんか悪寒が…」
「名前どぎゃんしたと?顔色悪か」
「ちいちゃん私の秘められた第六感が危機を察知したっぽい」
「あーこりゃ風邪か、頭がおかしくなりよる」
「ちゃうってば」


授業終了間際に突如感じた得体のしれない感覚に襲われた。なんとなく予想はつくけど。

チャイムが鳴って先生が前の扉から出ていくと同時に後ろの扉が勢いよく開いた。



「名前ー」
「うえっ」
「あ、白石」


両手を広げて向かってくる蔵があまりにも恐かったので思わず隣の席のちいちゃんを盾にしてもた。ちいちゃんごめんね。



「やっぱり私の第六感は正しかったわ」
「すごかー、双子テレパシーたい」
「いやいらんし。蔵察知能力とかなんの役にもたたんもん」
「なあ俺も話に交ぜてや」
「近いって!」


一人だけはみられてるのが嫌なのかいつの間にかすぐそばに蔵がいた、というか後ろから抱きつかれた。ので思わず悲鳴を上げてちいちゃんに抱きついたら面倒そうに睨まれた。


「兄妹でいちゃつくんなら余所でやればよか、俺まで巻き込まんで」
「いちゃついてないし、明らか一方的やん」
「ほら千歳は嫌がっとるから離したり」
「嫌や、それやったらまず蔵が離してよ」
「俺はこのままがええねん」
「私もこのままがええ」
「やっぱ名前も俺のこと好きなんやろ」
「断じて違うわ!蔵と二人っきりは嫌やからちいちゃん離したくないって意味やから」
「や、名前離してくれん?数学の教科書ないからはよ借りにいかんと」
「大丈夫私が見せたるから」
「アカン絶対許さん!教科書見せるって一時間机引っ付けるんやで!名前、離しなさい。で、千歳ははよ教科書借りてこい」
「いやーちいちゃんいかんとって」
「(どっちも鬱陶しい…)」


くっつきむし!!

離さないよ!


「もしもし謙也数学の教科書貸してほしか。あ、あとついでにうちのクラスまで白石の引き取りも」
『白石の引き取りってなんかむっちゃ嫌な予感がすんねんけど。てかなんで電話なん?』
「いろいろ訳ありで…」






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