目を開けば大好きな御方の姿が視界一杯に映る。それだけのことが嬉しなってつい頬が緩んでしまう。

「何が可笑しいのだ」
「可笑しいのではなく嬉しいのですよ」

そっと頬を撫でる手の温かさが心地よくて再び瞼が重くなってきた。微睡む意識の中で勇様が柔らかく笑ったような気がする。あぁ、もしかして私はもう既に夢を見ているのかしら。普段は厳しい表情ばかりのあの人が心を許してくれている、その事実が私はとても嬉しくて。こんなにも幸せな刻がずっと続いてくれればいい。

「また眠るつもりか?」
「だってなんだかとっても気持ち良くてうとうとしちゃうんです」
「だがお前が眠ってしまったら俺が暇になる」
「じゃあ勇様も一緒に寝ましょうよ、ね?」
「しかし…、まぁ偶には付き合ってやるのも良いか」
「ふふっ、ありがとうございます」


林檎の毒に浮かされて




勇様の腕に抱き寄せられて啄むような口付けを交わす。
きっと素敵な夢が見られると思うの。そして夢から醒めてもこの幸せな現実が続きますように。

「愛している、俺のシュネーヴィトヘン」

 (110327~110424)




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