「おはようございまーす、ってあれトーマ?」
「おはようございますnameさん」
「どうしたのよ今日休みでしょ」
「あぁ、実はマイが風邪引いて寝込んじゃってるんで代打です」
「うっそまじか。はあそうかー、風邪じゃ仕方ないけど…そうかー」
「え、何なんですかその溜息」
「だって今日はマイとミネをはべらしてうはうはハーレムだったのに」
「何するつもりですか貴女」
「この日のために頑張って生きてきたのに。ああああ女の子が足りない!!」
「うわー、発言がおっさんみたいですよ」


今日までずっと野郎共とのシフトを乗り切って楽しみにしてたのになぁ。風邪なら仕方ない、マイの負担にならない程度のお見舞いで手を打つとしましょう。


「ま、トーマが居てくれるなら厨房任せられるからありがたいわ」
「サボる気満々じゃないですか、やめてくださいよ」
「大丈夫!!ミネのオーダーは受けるから」
「…前から思ってたんですけど、nameさんて俺のこと嫌いなんですか?」
「ううんトーマのことは好きよ。でも女の子は可愛いから贔屓する主義なのごめん」
「イッキさんが言ってた残念美人が恐ろしく当たってるな」


トーマの視線に憐れみの色が浮かんでいる。なんだ悪いか女の子は可愛いからつい甘やかしたくなるのは自然の摂理だと私は思います。あ、別に同性しか愛せないとか男嫌いとかじゃないけど、こう込み上げるものが違うんだよねぇ。これを昔イッキと飲んだ時に熱く語ったら珍しく全面同意されてやたら気分良かった思い出がある。残念美人は余計だけど。


「私は自分の欲望に素直に生きます」
「アイツに迷惑掛けないなら俺は何も言いません」
「お兄様公認きた!!」
「早速不安なんですけど」
「おはよーございます!!」
「あ、ミネおはよう」
「ミネー!!丁度いいところに」


ようやくこの味気ない空間に華が来た!!ああ今日もミネは可愛いなぁ、お姉さんついサービスでケーキ奢っちゃいそう。


「ミネが来るのをずっと待ってたよ」
「nameさん…」


そっと手を取り唇を寄せると、ミネの身体が赤く染まる。その様子が愛らしくて私はにっこり微笑んだ。


「はーいストップ!!二人でピンクの空気にしないでよ、俺もいるんだから」
「えー、トーマ先輩邪魔しないでください。せっかくnameさんといい雰囲気だったのに」
「なになにトーマも混ざりたいの?でもごめん私はミネしか愛せないから」
「きゃーnameさん素敵」
「…あのなんなのこの茶番」