「あーあ。退屈だぜ」 今日も隣で、真っ白な鶴が退屈だ退屈だとわめいている。いつも通りの光景だ。 変わらず構ってほしそうに退屈を連呼する鶴丸から視線を逸らし、政府から送られてきた書類へ目を落とす。 「あ、そうやって無視するんだな?ひっどいなあキミは」 「……」 「なあなあ退屈なんだが。退屈が過ぎると死んでしまうんだが」 「……」 「…そんなかたくなに無視するのかっ」 「ぎゃあ!」 突然脇腹に腕が差し込まれ、後ろからぎゅうっと抱きすくめられる。耳元では鶴丸が退屈なんだとうりうりと顔を摺り寄せてくる。真っ白の髪がさわさわと首筋に触れるたび、こそばゆくて変な笑い声が漏れる。 「ちょ、ひゃは、あはは、も、やだ!こら!」 「じゃあ構ってくれるのかー?」 「それは…まあ、することが終われば?」 「とか言っていつも構ってくれないだろ全然!」 またすりすり攻撃を開始した鶴丸の頭頂部を手のひらでむりやり押さえつけると、構ってもらえると判断したのかぱっと嬉しそうな表情で顔を上げる。そんなに嬉しそうな顔されるとは思っていなかったら少し面食らうが、勢いのまま鶴丸の白いほっぺたを両側からきゅっとつまんだ。 「む」 「どうしてそんなに退屈なのよ。もっと構ってくれそうな人はたくさんいるでしょう」 素直に疑問に思ったことをぶつけてみる。するとむっと不機嫌そうな顔になった鶴丸は、だって。と呟いた。 「…じゃあ、素直にさびしいと言ったらキミはずっと構ってくれるのか?」 ちょっとだけ赤い顔でそう告げた鶴丸に、ほっぺたを抓んでいた指が緩む。 なんだそれ。なんだそれ。なんだそのかわいいのは。 とってもずるい。ずるすぎる。ありえない。かわいい。 一気に加護欲を刺激されたわたしは、そのまま鶴丸の顔を胸に掻き抱いた。 あー、神様政府様。はやくユイノウカッコカリを実装してください。現場からは以上です。 かわいいかわいい、私の貴方 150801 なゆた 刀剣乱舞;鶴丸国永 じじいがいて狐がいて鶴だけがいない本丸更新中 |