嗤う玩具と死なない道化



彼らはどうやら俺にご執心らしい。赤ちんが教えてくれた。かく言う赤ちんもどうやらご執心らしい。ご執心……?

赤ちんは言った。逃がさない、と。お前は俺と言う鎖からつながれているんだよ、と言った。わけがわからなかったけれど、まあそう言う事何だろう。

黄瀬ちんは言った。傍に居てくれと。別に問題はなかったからいいよと答えた。酷く嬉しそうに笑っていたのを覚えている。

峰ちんは言った。閉じこめてやる、と。そう言うのは独占欲って言うんだよね、って言ったらそうだ、と言われた。つまり、そういう事なんだ。

ミドチンは言った。離さない、と。それはそれは強い力で抱きしめられた。少し痛かったけど、離れないよ、と言ったら泣きそうな顔でありがとうと言った。珍しいね、お礼を言うなんて。

黒ちんは言った。自由になれと。俺は元々自由だよって言ったら、泣いちゃった。すみません、でも、僕は、と言ってから崩れてしまった。



皆おかしいね、ってさっちんに言ったら、さっちんはひどく笑った。皆馬鹿だねって。なにが馬鹿なの?って言ったらなんでもないといわれた。


それからは別々の高校に行った。離さない、逃がさない、傍にいて、閉じ込める、と言われたのに結局そんなのは口だけだったんだよ。

黒ちんの自由になれというのは昔からずっと変わらなかった。結局黒ちんだけなんだよね。



「俺は皆の事が好きなのに。皆馬鹿って、そういうことなのかな。」


――――

なんと指差しのあじゃか様にてキリ番を踏んでしまいまして、キセキ紫を書いていただきました(__)むっくん萌え!
ありがとうございました!!


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