月夜の晩に

私はいつまで彼と共に
戦い続けられるだろうか…
風が心地よく吹き
嫌なことも、風に流れていくような
気がした。

ふと、目を先に向けると
恋い慕う彼がいた。

「あ、斎藤さん。」

月明かりに照らされ
柔らかな表情をした彼を見つけた。

「どうかしたのか?」

「いえ、今部屋に戻ろうと思っていたところです。お月様綺麗ですね。」

「そうだな。」

「隣にいっても良いですか?」

「構わない。」

斎藤さんの横に座り、改めて
月を見上げ、彼に目を移す。

「斎藤さんの目は綺麗ですよね。」

青い瞳が月の光を浴びて
きらきらと輝かせる。
まるで、星のようだ。

「そうだろうか…」

少し照れた顔を見せてから

「俺は名前が綺麗だと、思っている。」

「斎藤さんは天然たらしですよね…」

そんなことをさらりという彼に
顔を背ける。

「なにを言う。俺は思っていることを、だな…」

私に向かい真剣に言葉を続ける。

「純真な名前を見ていると、あの月のようだと思う。」

そう言いながら、私の頭に手を置き
ゆっくりと髪を撫でてくれる。
それがとっても好きな私。

この戦乱の中、いつまでこの刻を
過ごせるか分からないけど、
いつまでもこの人の隣に
在りたいと思う。


「斎藤さんに私はずっとついて行きますからね?」

「あぁ、俺もこの刀で名前を守ると誓う。」


月夜の晩に交わされた約束は
優しい月明かりが
見守っていた。


end



あとがき
切なく甘くしたものを
書きたくなったので、
月を題材にしてみました。
最後までご覧になって下さった方
ありがとうございます。






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