向日葵

高校二年の夏。
夏休みも近づきつつあり
浮き足立ち、周りの顔が明るい。
苗字 名前。
私もその中の1人である。

図書委員の私は
校舎の裏に咲いている向日葵に
水を与えるのが毎年の日課である。
なぜ、図書委員が?
というと、校舎裏に面しているのが
図書館だからである。

普通、皆誰もが
花に水当番など面倒だ。
と、思うんだろうけど…
私はちがう。
なぜなら、想いを寄せてる人を
ゆっくり見ることができるから。
剣道部所属の斎藤 一。
向日葵が咲いているこの場所は
部活の練習する姿が
よく見れる場所。

「いやいや、私の仕事もしっかりしないと!」

水道の蛇口を捻り、ホースの口を
向日葵へと向ける。

向日葵は太陽に向かい
太陽の光に照らされ
きらきらと水滴が輝く。
お互いを尊重しているように
見えた。

「私もこんなふうになりたいなあ」

「どうかしたのか?」

その声は…

「っ!?」

「すまない。驚かせてしまっただろうか。」

私は首を横に振り、
「珍しいね。この道から道場に向かうなんて…遠回りなのに。」

「生徒会室に用があったゆえな。名前はいつも花に水を?」

「うん。図書委員の仕事で、みんなやりたがらないから私が。」

斎藤君を見たいが為なんて言えないけど。

「せめて、当番制にするべきだろう。早急に俺からも声を掛けよう。」

「あぁ〜っ!えっと!!いいのいいの!!!」

「そうか…俺も名前の姿が見れるのは嬉しく思う。」

「へっ??」

今、なんて…

すると、みるみるうちに顔が赤くなり、口を抑える斎藤君。

しまった。というような顔。

「さ…さいとうくん?」

釣られるかのように
私も顔が赤くなっていく…

「いや、その…俺は、名前がっっ」

「はじめくーん?なにしてるの?」

「あ、沖田君」

「っっ…すまない名前。また、改めさせてもらう。」

走って行く彼をみて、ぺたんっと
座り込んでしまう。

もうすぐ、夏休みですね。


end


あとがき
斎藤さんを見つめる
ヒロインちゃんの姿を
向日葵に例えて書いてみました。
このあと2人は夏休み満喫するので
しょうね。と、中途半端なもの
書いてすみません(T_T)
ですが、最後までご覧に
なって下さりありがとうございます。

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