覚悟しろ。


*斎藤一視点

「あぁ…悔しぃ。また総司に負けた!!」

叫びながら
鞄を振り回すのは
剣道部の随一である紅一点の彼女。

名前とは…そのっっ
恋仲である。

「どうしたの?斎藤君?顔が真っ赤。私の話しきいてる?」


「聞いている。そして、鞄を振り回すのはやめろ。…先ほどの話しだが、また腕を上げたな名前。」

「本当?斎藤くん??」

「あぁ…だが、いい加減諦めたらどうだ?」

眉間に皺をほんの少し寄せる。
やはり、面白くない。

「絶対っっ嫌だ!」

ため息をつき
彼女の手首を掴み上げ
名前を自分のもとに引き寄せ
唇を奪う。

「……俺以外の男を追いかけているのは、面白くない。」

真っ赤な顔で睨む彼女は
煽っているようにしかみえない。

「だって…斎藤君に追いつきたいんだもん。」

「こうして隣にいるだろう?たまには、俺と試合をしてくれ。」

「うん!」

微笑みを浮かべる彼女は
本当に可愛らしい。

「名前、いつになったら名前で呼んでくれるのだ?」

「うっ……はじめくん。」

名前に名前を呼んで貰えただけで、上機嫌になる自分が
可笑しく思える。

それだけ、彼女に
溺れしまった。

「俺は、しつこいゆえ覚悟をしておけ。」

彼女が鞄を振り回し
鞄の中身が飛び出すまで
三秒前。







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