落ちるまで


「名前ちゃん。」

「沖田先輩?」

くるんっと効果音が付きそうな感じで振り向いてくれる女の子。

「ねぇ、僕と好い加減付き合わない?」

僕が一生懸命追いかける
好きな女の子。
これで何回目の告白に
なるんだろうね?名前ちゃん。

「っ…で、ですから、私は今は誰ともお付き合いする気も無いですし、好きな人も作らないんです!」

真っ赤な顔で言われると、
ますます追いかけたくなるくらい
可愛い。なんて、言ったら
怒られちゃうから言わないけど。

いつになったら、本当の意味で
振り向いてくれるかな?
僕の気持ちに向きあってくれるんだろうね…


ーーーーーーー

「名前ちゃん。」

振り向いたら、にこにこ笑っている
先輩が私を見下ろす。
まるで、不思議の国のアリスに出てくるチェシャ猫のよう。

「沖田先輩。」

呼ばれたのに答えないのは
先輩に対して失礼だよね。

「ねぇ、僕と好い加減付き合わない?」

何度目かの告白。
何度目かでも胸は高鳴る。
私はこの人を好きになってはいけないと、自分に言い聞かせる。

私には、幼馴染の恋人がいた。
けれど、突然の事故で
大切な人を
喪った。

「っ…で、ですから、私は今は誰ともお付き合いする気も無いですし、好きな人も作らないんです!」

でも、その自分にかけた錠は
カタンっと音を立てて
外れそうで。

恋に落ちるまで
あとわずか…




あとがき
恋に落ちると錠が外れて落ちるのを
合わせて見たかったんですが
失敗。
続きものにするか迷っています…
なので、あえてendをつけて
おりません。
読みたい!!と思って頂けたら
幸いです。

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