今日は、中学生テニスの全国大会、しかも決勝だった。

私は、立海の副部長、真田弦一郎の彼女として、応援していた。

弦一郎は勝った。


しかし、立海は、相手校の青春学園に負けてしまった。


弦一郎は、それが悔しいのか試合が終わり、夜になった今でも一人で練習を続けている。

なるべく邪魔したくなかったけど、もう我慢できなかった。


「弦一郎!もういいよ。」


手塚さんと試合してけがを負ったのに、また練習を続けて…
無茶しすぎだよ。

「お前は言わなくてもよい。もう夜だ。そろそろ帰った方がいいぞ」


「いやだ。弦一郎がやめるまで帰らない。」


もう決めた。わがままでもいい。
自分だけのせいではないのに、練習を続ける彼を、黙って見ることはできなかった。

「しかし…」


「全部…全部、弦一郎のせいってわけじゃない。一人でこんな暗いところで…誰にも言わずに、なんで…」


言っているうちに涙が溢れてきてしまった。

私、情けない。
…こんなこと言うつもりは、無かったの、に…


「お前に…心配をかけたくなかったんだ。」

「私は、私は弦一郎の何?」


「か、かのじょ…だが…」


「だったら、何でも言って!何でも聞くから…どんな事でも、いいから…私は、ただ弦一郎の助けになりたいの…」


ちょっと責めた感じになってしまった。
こんな私を、弦一郎は許してくれるだろうか。

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