※会話がほとんどありません
相手視点です。


今日も、君は笑顔だ。

でも、それは俺だけに向けられた訳じゃなく、他の男にも向けるものだ。

俺は知っている。彼女は俺にそれを見せているということを。
きっと、俺の心の中で少しでも嫉妬心を植え付けたいんだ。

俺は、それらを知っている。
だけど、俺はその罠に引っかかってしまうんだ。


「おはよう!」


その笑顔の裏にはちょっとしたいたずらのココロがあるんだね。

俺はまんまとそれに引っかかっているんだね。


でも
なぜか、悲しいとか面倒くさいとかより、彼女は素敵なんだと思うんだ。


それはやっぱり、俺はキミの笑顔を見たいから。


「幸村くんっ」

って、キミの声で呼んでほしいから。


どうやら
俺はキミが好き過ぎるみたいだ。

この気持ちは何度か伝えたことはあったけれど、キミはそれをちゃんと受け取ってくれているのか。

彼氏と彼女、っていう風にはなっているんだけれど、本当は俺の気持ちをもてあそんでいるだけ?


「そんなこと、ないよ?……私、幸村くんのことホントに、好き」


ほら、また言う。
俺の頭の中でキミが言うんだ。

俺にはキミしかいないって。
キミは、その甘い笑顔と声で俺を惑わす。


だから、俺は仕返しをしたいと思うんだ。


俺は他の女の子とちょっと喋ってみる。すると、彼女はちょっと不満げな顔をする。


「彩夏…好きだよ」


彼女にそう囁く。そうすると、彼女はすぐに真っ赤になる。


計算しているのか、それとも無自覚なのか。

それを予想してみるのも、ちょっとしたスリルなのかもしれない。


今日も、明日もきっと
俺は彼女から離れられないんだろうな。
そして、彼女もきっと、俺から離れることができない。


なんて。


罠をかけあってる俺たちは、
なんて卑怯で、甘くて、
ずるいんだろう。


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